おざわさん

クイーンズ・ギャンビットのおざわさんのレビュー・感想・評価

クイーンズ・ギャンビット(2020年製作のドラマ)
3.9
母親の死とその原因が自分では無いのかという重荷を背負いつつ、孤児院で出会ったチェスの世界にのめり込んでいく女の子ハーモン。その人生を描いた『ハスラー』のウォルター・テヴィス原作の全7話のドラマ。

5〜60年代のアメリカが舞台。
初めは用務員のシャイベルが進める駒と格子柄の盤面に惹かれ、きっと母親譲りであろう論理的思考で(破壊的衝動も母親譲り?)すぐにシャイベルを負かしてしまう様になります。
ハーモンは孤児院で与えられていた精神安定剤を寝る前に飲むと、天井にチェスの盤面を見るようになります。
でもコレって実は薬のせいじゃなく、テトリスやり過ぎた時に目を閉じると上から落ちてくるのが見えるのと同じですよね?
それを薬や酒のおかげだと思い続けこんで大人になると、どんどん強い相手を倒していくハーモン。
ところが当時冷戦中のソ連(今のロシア)のナンバーワンプレイヤーのポルコフには全くなす術なく敗れ、プライドごと叩き潰されてしまいます。

そんなハーモンを演じるのはアニャ・テイラー=ジョイ。映画『スプリット』『ミスターガラス』でもその演技力を見せていましたが、今回はまたそれ以上の出来。
しかし映画では描き切れない世界を描くためのこのくらいのボリュームのドラマって、これからもっと増えてくのかも知れませんね。