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今ここにある危機とぼくの好感度についてのakのレビュー・感想・評価

3.3
利己的に生きていくのならば、見たくないものは見なければきいいし、内容がない会見をして場を誤魔化せばいい。そんな冷たい日本社会が垣間見えるこの作品を見ているとみのりちゃんを見て心持ちを変えた神崎と同じような気持ちになる。

もう一つ自分が感じた点として、この社会は複雑だからこそ無駄なことが役に立つということだ。作中でも気を抜くと大学は政府と企業の研究機関になってしまうという発言や最後には役立ちそうにもない蟻の毒が役立った。また、総長が須田理事に慰留したり、独裁を嫌ったりと一見システムに無駄があるように感じる点も多様性がなければならないと作品を見ることで納得できる。

この腐った社会だからこそ第一印象で決めるのでなく、自分で調べて、問題を見つけたら名前をつける、ということを忘れてはいけないと自分に戒めてくれるいい作品であった。
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