たーきー08

First Love 初恋のたーきー08のレビュー・感想・評価

First Love 初恋(2022年製作のドラマ)
4.0
恋愛ドラマの弱点を見事な構成で強みに変えた作品!

大きく過去と現在を舞台に進行していく今作。
学生の頃の恋愛は観ているこちらが照れてしまうような甘酸っぱさが魅力。ただ、どうしても深みにかけてしまう。
大人のそれは簡単に言うとその逆。
どちらかに振るとターゲットが限られてしまうのが恋愛ドラマの難しいとこ。
二つの舞台をどちらかの振りではなく、それぞれをメインに描くことで、先の課題を補うだけではなく、物語が進んでいくに連れて明らかになっていく事実が足し算ではなく掛け算になっている。
映画の尺では不可能で、ドラマだからこそ表現できる作品。

監督脚本の寒竹ゆりさんの作品は不勉強で観たことがないが、きれいにまとめる構成力が素晴らしい。
ドラマ好きな人は映画好きに比べてライト層が多いため、時間軸の移動についていけなくなることが少なくないが、こまめに、そして丁寧に描いてくれている親切設計なので、そんな心配は無用。
弱点を補うために生まれた新たな弱点をさらに強みに変える。素晴らしい!


夏目漱石が学生にI love you.をどのように訳すか訊ねたところ、あなたを愛していますと答えた。ただ、漱石は日本人は照れ屋だからそんな直接的な表現はしない。私なら、月が綺麗ですね。と表現する。と話した逸話がある。

晴道と也英はあなたのことが好きです。をあなたの好きな食べ物はなんですか?と表現したところがたまらんです!

関係ないけど、漱石の逸話の、日本人の国民性を考慮した部分を知らずに、夏目漱石はI love you.を月が綺麗ですね。と訳したとしか知らない人が多すぎて、残念。なんの情緒もない。そんなん逸話として残るわけない。


オンライン試写会にて1-5話まで鑑賞

なんで5話までなの(笑)
ネトフリ入らんといけないじゃないの、ずるいて(笑)
たーきー08

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