原作は重松清さんによる名作。
長年映像化されてこなかったのは、ドラマや映画として描くことのむずかしさがあったのだと思う。
本作では、そのむずかしさを乗り越えるために、徹底してやさしい世界に仕上げることに力が込められていた。
声に出すだけがことばではない。
そして、ことばであらわすだけがコミュニケーションではない。
明るく笑いあったり、手に触れたり、ともになにかに打ちこむ。それらも立派なコミュニケーションなのだ。
わたしたちは、この身体すべてがなにかを伝えあっている。そう教えてくれるようなドラマだった。