ルーク大佐

サンクチュアリ -聖域-のルーク大佐のレビュー・感想・評価

サンクチュアリ -聖域-(2023年製作のドラマ)
4.0
国産ドラマは脚本に熱くなれないので途中離脱やスルーが多い。本作は日本の歴史や伝統を踏まえ、国技としての「相撲スポコンドラマ」の傑作だ。大相撲は神道と深く結びついているが、特に海外の相撲ファンは1500年の歴史があることを知り、驚嘆するのではないかな。

ただ、ラストエピソードは出し惜しみ感がモロ見えなため、マイナス0.2ポイントになった。最後に決着を披露できないところに制作チームの根性の欠如がうかがえるため、とても残念である。

どんな大人の事情があるにせよ、こんなに熱いストーリーをまとめてきたのに最終場面で作り手サイドの意思力の弱さが出てしまった。ちゃんと見せ場を魅せつけてから、さらなるクリフハンガーを持ってくればよかった。こういう点に国産ドラマ制作陣の脆弱さが感じられる。

予算が豊富でビジュアル面では、おそらく高品質のカメラや映像処理をしているのだろう。力士の体当たりシーンは汗が飛び交い、臨場感があった。断髪式は感動的なシーンだが、子どもや親方の登場シーンはもっと心を揺さぶる演出ができなかったものか。

いずれにせよ、シーズン2以降の続編が楽しみだ。
日本の国技を世界に浸透させる点において大きく貢献するだろう。
ルーク大佐

ルーク大佐