EDDIE

アイランドのEDDIEのレビュー・感想・評価

アイランド(2005年製作の映画)
3.8
クローンと人間の命の重さ。それぞれに違いがあるのか。倫理観すら問われかねない深いテーマを追求した近未来SFかと思いきや、そこはさすがのマイケル・ベイ。細かいストーリーの深みは置いといて爆発の連続に興奮冷めやらぬ。

序盤はなかなか真面目に進むもんだから、マイケル・ベイ監督にしては大人しいなと思ってたんです。監督デビューからタッグを組んでいたプロデューサーのジェリー・ブラッカイマーと初めて離れて撮影に臨んだ本作。かなり硬派なテーマで、しかも主人公たちの住む都市はクローン製造工場で幼い記憶すらプログラムされたものだという本格的なSFで胸躍りました。

実際のところ結論から言えば面白かったんです。だけど、やはり期待を裏切らないマイケル・ベイ。中盤からは怒涛のようなカーアクションや爆発の数々でベイマニア歓喜の展開。あのダンベルみたいなのが車を襲い狂うシーンはめちゃくちゃ見応えがありました。
ベイ作品のレビューで毎回のように書くんですが、私あんまりベイ監督とは相性が良くありません。ただ慣れてきたんでしょうか。なんたって今年の1月に公開された『バッドボーイズフォーライフ』はシリーズ最高の出来だと思いました(あれ?これベイ監督じゃなかったなw)。
まぁ慣れた云々はわかりませんが、本作は意外に硬派な作りな部分もあり、アクションシーンは「待ってました!」って気持ちになれたし、なんだかんだ嫌いじゃないのかもしれません(自分でも何を言っているかわからない)。

前半あれだけ丁寧に描いている風だったユアン・マクレガー演じるリンカーン・6・エコーのクローンとしての葛藤。終盤はスカーレット・ヨハンソン演じるジョーダン・2・デルタと人間としての至高の快楽を楽しむわけですが、もはやクローンかどうかなんて設定は消えてなくなり、コロニーに隔離された大勢のクローンたちの救出劇となりました。彼らは脱出後普通に生きていけるんでしょうか。いや、それ以上にあのコロニーを管理していた組織は何らかの制裁が下るのか。その辺はよくわかりません。だけど、いいんです。マイケル・ベイ監督ですから。

コロニーから抜け出して下界で色んな初めてを体験するときのユアンとスカヨハが可愛すぎました。大人の日常会話が通用しないので、「酒高いやついっとくか?」って聞かれた直後に、真上の高いところを見上げるスカヨハが癒しでした。
演技派スティーブ・ブシェミ公の存在も無視できませんが、彼が所有していたゴスロリ系やナース服のコスプレコスチュームを手にしたスカヨハ。これは違うんだと隠すブシェミ公でしたが、あれをスカヨハに是非着てほしかったと思ったのは私だけではないはず。

ほか、故マイケル・クラーク・ダンカンの暴走シーンや名前を呼びたくなるジャイモン・フンスーら、脇を固める俳優陣も見応え十分でした。

※2020年自宅鑑賞255本目
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