つん

ボーイズ・ドント・クライのつんのレビュー・感想・評価

ボーイズ・ドント・クライ(1999年製作の映画)
4.0
ヒラリー・スワンクのファンなのに、公開当時から今まで、あまりに辛いと聞いて、怖くて見られなかった。
大人になったので、今日勇気を出して観た。

脚本に何となく気になるところはあるけれど、演技力が素晴らしくてカバーされている気がする。

この映画は25年前のものだし、実際に起きた事件は30年前だから、今よりももっと理解がなかったんだろう。
でも、今でも、こんな考えや行動は程度の差こそあれ、普通にあると思う。
映画を観て悲しんだり憤っていても、自分や周りが当事者になったら、途端に攻撃的になったりする人もいると思う。

現在では、SNSなどを通して人々が謎の正義感で人をジャッジする。
この人は嘘をついてたんだから、こうして良い。本当のことを隠してたのだから、裁いて良い。
何故か自分が執行人となる人が多いと思う。それは、映画公開当時よりもずっと増えていると思う。


見る人がどんな立ち位置から見るかで、この映画の捉え方や感じることはかなり変わってくると思う。

また、個人的にはLGBTに限らず自分が悪くなくても、どうしてこんな事しなくちゃいけない?と思うようなことでも、自分や周りの身を守るために用心することは必要だと感じる。
性的マイノリティは隠れていろ、という意味ではなく、危険察知や回避する能力は持っていた方が良い。

また、経済的な状況や環境が悪くて、生まれた時から人生がうまく行かない人は、スタックしてしまい、衝動を抑えらない人や深く考えられない人になり、不幸の連鎖が続くということも感じた。
底辺でしか起きない事件や争いはあると思う。


とても、つらくて悲しい映画だったけど、きちんと事件を伝えてくれていて良かった。
それと、犯人が死刑と終身刑。日本だったらどれだけ軽くなっているだろう、と思ってしまった。
つん

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