ボーイズ・ドント・クライの作品情報・感想・評価

「ボーイズ・ドント・クライ」に投稿された感想・評価

とてもショッキングな映画。
ただ、ヒラリー・スワンクは少年にしか見えないと思わせる演技は流石だ。
ネブラスカ州のリンカーンに住む性同一性障害の主人公ブランドンは、身体は女性だが本人の性自認は男性だ。ある日、ブランドンはラナという女性と出会い恋に落ち、女であることをかくして交際をはじめるが、ある事件がきっかけで女性であることが明らかになってしまう。
男装の麗人なんていう言葉がある。トランスジェンダーとかレズビアンの人からしたら、男から麗人なんて言われたってそりゃあ嬉しくないみたいだが、私の目からするとやっぱり彼女たちは中性的で格好よかったりする。
その意味で、本作のヒラリー・スワンクの出で立ちは、私が彼女(彼)たちに感じる独特のコケティッシュさとは全く異質なもので、女性であることを感じさせない体型や顔つきで、言われなければ童顔な小男にしか見えないし、その仕草や話し方などは見る者にまっすぐで剛毅朴訥な印象を与え、歪みねぇダンディズムとも言うべき男性的な色気に引き付けられる。
彼は、兄が止めるのに夜の町をフラフラしていて、盗みを働いたり、面倒ごとを後回しにしたりと、決してちゃんとした人間ではないが、愛する女性に向ける真剣な眼差しや、生きづらい世界の中で尊厳を守りながら男性として懸命に生きようとする姿をみせられると、どうしても思い入れてみてしてしまう。
後半、ブランドンが、ふたりのならず者ジョンとトムに暴行され犯される場面は、恐い、辛い、許せないという感情と同時に、男の力で上から押さえつけられて抵抗できず、その身に埋めようのない肉体の性差を認識させられてしまう様は、即物的で妙になまなましく、悪趣味かもしれないが見入ってしまった。
自分を持って生き続ける。ただ、自分を失ってまで生きるか、自分を保ち生きるかの選択を迫られたとき、どんな選択を自分自身するのだろうか。
mako

makoの感想・評価

3.7
《2018#83》

週末深夜放送されていたのを録画して鑑賞。

ネブラスカ州で殺害された実在の人物の人生を描いているそうです。
最も保守的といわれる地域で起こった実話だそうです。
この事件は1993年に起こりました。
性同一性障害(体は女だが心は男)のブランドンはファールズシティでジョンとトム、彼らの女友達のキャンティ、ラナと知り合います。
つるむうちに友達になり、ラナと気が合いお互い大切な存在になっていきます。
でも性同一性障害の事は隠していました。
そしてその秘密が知られた時にジョンとトムから乱暴され、さらなる悲劇に見舞われます。

24年前はまだ性同一性障害に理解はなく、それほど知られてなかったのでしょう。偏見による無知。普通と違うというだけでここまで残酷なことができるなんて。
知り合った時の描写でジョンはヤバイ奴だなと思ったけどやっぱりそうだった。
知り合った相手が悪かったのか。

日本でもやっとLGBTが知られてきましたがまだまだ偏見はあり、生きにくい世の中だと思う。自分たちと違うから気持ち悪いというのはおかしいと思う。
性同一性障害として生まれてきた人たちはなんら罪はない上に、自分らしく生きられず悩み苦しんでいる。
理解ある世の中になってほしいと、この作品を観てより一層強く思いました。
重い内容、重い結末。そして実話。
身近に同じような立場の人が居たら理解してあげられるだろうかと考えさせられた。
しかし、人の尊厳を踏み躙る権利は誰にもない。
かーく

かーくの感想・評価

3.6

ブランドンとラナが素敵だっただけに辛すぎる。人の恋愛にここまで口を出す権利は誰にもないと思う。例え相手が化け物だったとしても。これは最悪の事件だと思った
なみき

なみきの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

あまりにつらすぎて直視していられません。男性なのに女性の体で生まれてしまったというだけで、恋人と引き離され、化け物呼ばわりされ、レイプされ、殺される。そのさまが基本的には映画らしく撮りつつも、ときにドキュメンタリー的なカメラのもとで撮られているから、あまりに生々しくて恐ろしい。こんな世界にはぜったいに行きたくない、関わりたくない、こんな場所はなくさなければならないと、ほとんど生理的に感じさせられます。

ところでこれが実話ベースなのを知らなかったのですが、それをラストに知ってそ 驚くとともに、ちょっと調べてみたら映画のなかでは特に理解がないふうに語られていなかった母親も現実にはブランドンを「娘」としか呼ばず、墓石にもそう刻んだと書かれていて、絶望的な気持ちになりました。ただ変な体に生まれただけ、それでこんなにも暴力を受け、実の親から死後にまで偽りのアイデンティティを刻み込まれるなんて…。
ヒラリースワンクが見事に少年に扮していて、美しい映画だったのに。
どんな形の愛であれ誰にも咎められる理由はないな、と思った
太郎

太郎の感想・評価

4.1
重い。実話ってのがまた重さを増している気がする。
最近でこそ認められ出しているLGBT。人と違うことはこんなにもいけないことなのか。ブランドン役の演技は久々にすげーと圧倒された。
偏見や差別について考えさせられるが、大きい範囲で宗教や文化がある時点で無くならないものな気がする。
この映画はLGBTに悩む人を勇気付けるのではなく逆にもっと悩ませそう。
映画中にも考えさせられるが終わってから多くのことを考えさせられると思う。重いが観て損はない映画だと思う。
何より主演のヒラリースワンクが凄すぎ。途中まで女性というのに気づかなかった。男性ならではのふとした仕草だったりとかとてもリアルで圧巻の演技力。これは主演女優賞納得。


(ストーリー)
ネブラスカ州のリンカーンに住むブランドンは、性同一性障害で、身体的には女性ながら本人の性自認は男性である。

軽犯罪を犯したために街を出る必要に迫られたブランドンは、フォールズタウンという街でジョンとトムという二人のならず者に出会う。ブランドンはジョンの愛人の娘のラナと恋に落ちるが、ある事件がきっかけでブランドンが身体的に女性であるということが明らかになってしまう。
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