登山家のドキュメンタリーだが、それだけの内容ではない。アジア人としてこの映画を見てこの人を知れて本当によかったと思った。
自分は登山にはあまり興味がなく、ただすげー危険て事だけはわかってたので最初はハァッ〜すげー奴がいるもんだやべーなという気持ちで見ていたが、途中で「登山家が華々しい記録を打ち立てて話題になってもシェルパは名前が出ない」「シェルパにも名前がある」という話が出てきてこれは登山だけの話ではないなと思った。
実際この映画以外の情報を知らないので彼がどのくらい強いスタンスでネパール人(アジア人)の立場向上や人種に関係ない世界からの評価などを考えて登山しているのかは知らないが、少なくともこの映画を見て自分も勇気をもらった。
正直こういうタイプが身近にいたらすげ〜〜〜嫌だな〜〜それは〜〜とは思いつつリーダーシップと行動力と冷静さが凄い。
偉業を成し遂げてカメラマン達にワーッと囲まれて喜び絶頂のタイミングで「これが欧米の登山家なら10倍は話題になっていた」と言えるのは凄い。本当にその通りだと思う。同じアジア人の自分ですら今回初めて知った。この映画の全てはこのコメントに尽きるんじゃないかとすら思ったくらい。
途中の展開にも関わるが、英語で世界に発信することと写真と映像の力を強く感じた。
登山に興味がなくても見ていてかなり勉強になるし得るものが多いドキュメンタリー。得るものは多いが、山に登りたくは全然ならない。