F

母性のFのレビュー・感想・評価

母性(2022年製作の映画)
3.4
この気持ち悪さとてもすごい
流石湊かなえって感じの、本当に嫌な空気感が流れるし、登場人物全員気持ち悪い。一切共感できない潔さ好き。あまりにも綺麗で丁寧なセリフってゾワゾワするんだなって思った。

セリフがいちいち嫌だし、言い方とか目線で伝えるあの感じとか空気感があまりにも絶妙で、ニヤニヤしてしまう。主題とはちょっとズレるかもだけど、これみたいな、真実と事実、信用できる語り手系って、いや本当にそうなのか?って思えて楽しい。順番的に永野芽郁の語りが事実って思いがちだけど、あくまでも永野芽郁視点の真実であって本当かどうかは分からない。もう1人くらいの視点あったらこの話の印象がまるっと変わるのかもしれない。同じシーンの視点違いはやっぱり面白くて、母親は料理のレパートリーが増えたとか言ってるのに、娘はやたらと三食丼比率が高いって言ってたのが1番ニヤッとした。

でも、あえてそういうとこじゃなくて人と人の関係、母とは?みたいなとこに収束してくのは上手いなと思った。”母だから〜”みたいな踏み入れちゃいけない固定概念みたいなとこにガンガンと踏み入って、いろんな見せ方するの凄い。面白いか面白くないかで言われたら、面白くないのかもしれないけど、このじわっと余韻が残る感じは割と好き。

高畑淳子本当に嫌いになるくらい演技うっまい
F

F