sanjuro

母性のsanjuroのネタバレレビュー・内容・結末

母性(2022年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

戸田恵梨香演じる母と永野芽郁演じる娘が主役。しかしそれを主役に、母と祖母の母娘関係と、父実家の母娘(姑と父妹)関係などもサイドに描かれる。所々サスペンスの要素があり、冒頭で自殺した女子高生を永野演じる娘と混同させるミスリードがあったり、母と娘視点で記憶が異なっていたりする。ただ、人物描写だけでも十分に見ごたえがある映画なので、半端なサスペンス要素は話を混乱させるだけでいまいち必要性が分からなかった。ただ、永野演じる娘が自殺未遂をはかるシーンで母親が「さやか!」と娘に呼び掛けるシーンは「あれ?この子そんな名前だっけ?」と感じてしまうのだが、実は母が娘の名前で呼びかけるシーンが劇中にほとんどなかったことをそこで気付かせるトリック(?)は凄いと思った。
気になったのは、母(戸田)の内面が極端すぎてこんな人おる?っていうレベル。でも一見まともに見えてヤバい奴はそこら中にいるし、ある意味リアルなのかな。あと、娘(永野)は母が好きで母に構ってもらいたがってるんだけど、これだけ愛情の薄い親に対しても、子から親への愛が生じるものなのかな?と疑問に思った。子供が、自身を虐待する親を慕うというのはありがちだと思うけど、それも普通は飴と鞭の使い分けが上手かったりするし、母(戸田)は飴パートがほとんど無さそうなのに。
その他本筋ではないけど、高畑淳子はやっぱ大女優やなと思った。また父妹がどう見てもヤバい男と駆け落ちしたのに、実はまともな相手だったのが安心した。ていうか見た目で疑ってスマン。
sanjuro

sanjuro