与えた者と与えられた者。
それぞれの視点や感じ方でここまで回想シーンが変わるのかと怖さと驚きがあった。
与えられた者が与えてくれた者に愛情を返すのは当然だが、与えてくれた者は決して見返りを求めている訳ではない。与えられた者がいつか与える側として誰かに貰った愛情を返すことが愛の循環であり、継承されいくべきことだなと強く感じました。
母の無償の愛を少しでも娘に分けてあげることが出来たら、この家族ももう少し家族らしくなったのかなー。
永野芽郁の高校生から社会人までの変化もかなり上手いなと感じたが、この映画は戸田恵梨香と高畑淳子の演技に魅了された映画でした。
戸田恵梨香の学生から4,50代くらいの母親の演技まで、画面越しで見ているとその年代に本当に見える若さと老いの表現が素晴らしかった。
高畑淳子も癖のある役だがこの映画のフィクションの嫌な部分と現実の嫌なことを中和させて現実に起こっていることのように感じさせるくらいすごい怪演だった。
最後の火事のシーンは、さすが湊かなえだなと思わされました。