SANKOU

赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。のSANKOUのレビュー・感想・評価

2.2
『シンデレラ』の世界観をベースに赤ずきんちゃんが名探偵(迷探偵?)として活躍する異色のファンタジー。
グダグタな台詞回しに内輪ネタ感満載のやり取りはいつもの福田ワールド。
ただ『勇者ヨシヒコ』や『銀魂』に比べると大分キレの悪さを感じた。
ストーリーは魔法によってドレスアップした赤ずきんとシンデレラが城に向かう途中で殺人事件に遭遇するというもの。
咄嗟に死体を枯れ葉で覆い隠してしまう赤ずきん役橋本環奈の変顔が光る。
殺されたのは王家御用達のカリスマ美容師ハンス。
赤ずきんは頼まれもしないのに探偵役を買って出て、徐々に事件の真相へと近づいていく。
いつの間にか「赤ずきんさん」と敬意を込めて呼ぶようになる侍従長、靴だけは変えることが出来ないヘッポコ魔法使いバーバラ、そして今回も福田組常連の佐藤二朗演じる王様、ムロツヨシ演じるネズミの御者のキャラクターが面白い。
しかし福田監督は佐藤二朗に頼りすぎだと思う。

最後までゆるふわな展開が続き、おとぎ話の世界観にふさわしい結末も用意されている。
が、醜いものに対して見て見ぬふりをしようする今の世の中に対する皮肉が込められた内容でもある。
そうして蔑まれ、誰からも見向きもされない人たちが、小さな幸せにすがって罪を犯してしまった場合、誰が救いを与えるのだろうかと考えてしまった。
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