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トイレに閉じ込められるという最低な状況から始まる恋もあるのだと思った。
もっともお互いに恥ずかしいところを見せ合ったからこそ、信頼が生まれたのかもしれないが。
何ともコメディな幕開けだが、実は明るいの>>続きを読む
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人は全く自分が認知していないところで、他人に助けられていることが結構あるのかもしれない。
舞台はベルリンの壁崩壊前の東ドイツ。
主に四人の人間のそれぞれの思惑が交錯し、まさに運命の悪戯としか形容の出来>>続きを読む
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小津監督独特の台詞の言い回しとテンポ感は決してリアルな人間の会話ではないのだが、それが不思議と現実感のある日常をうまく演出している。
「ああ、いや、どうも」の会話だけで、画面に引きつけられるこの小津作>>続きを読む
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他の黒澤明監督の作品に比べると地味な印象はあるものの、やはりこの人の作り出す人間ドラマは面白い。
戦時中に野戦病院で軍医として働いていた恭二は、中田という兵士の手術中にうっかりと指を切ってしまう。
中>>続きを読む
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結婚して5年目、そして東京から大阪へ移り住んで3年目の初之輔と三千代夫婦は倦怠期を迎えていた。
初之輔が三千代に発する言葉は「腹が減った。飯はまだか」ぐらいのもの。
周囲の反対を押し切り、大恋愛の末の>>続きを読む
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寅さんの夢の中では大体さくらは可憐で献身的。おいちゃん、おばちゃん、博はうだつが上がらない。
そしてタコ社長と源公は悪者扱い。
寅さんが無意識に彼らをどのように捉えているのかが分かって面白い。
時代劇>>続きを読む
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毎回このシリーズは寅さんの夢オチで始まるが、いつも何の繋がりがあるのだろうと考えさせられてしまう。
もちろん本編に海賊は一切登場しない。
さて、今回登場するリリーが他のシリーズのマドンナと違うのは、彼>>続きを読む
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毎回フラッと柴又に戻ってきた寅さんが恋をし、失恋してまた旅へと出ていく。このパターンは変わらないのに、このシリーズはどの作品も味があって面白い。
人物描写の豊かさも然ることながら、軽妙な中にもしっかり>>続きを読む
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「愚かではないが、弱いんだ。弱いから差別をする」
明治37年の信州。政府により身分制度が廃止されてから30年の時が流れているのにも関わらず、今までの慣習を引き継ぐように人々は部落出身者を目に見える形で>>続きを読む
人間にとって孤独であることが一番辛いという。
高校生の志乃ちゃんは人前に立つとどもってしまい、上手く話すことが出来ない。
自然とクラスでは友達が出来ずに孤立してしまう。
そんな彼女が同じように孤独な心>>続きを読む
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1999年、サムレという町のスーパーで強盗事件が発生。
近所に住む三人の少年が逮捕され、事件は解決したかに見えた。
17年後の2016年、サムネの警察署にに定年間近のファンが戻って来る。
かつては狂犬>>続きを読む
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韓国の政治ドラマやスパイものは臨場感に溢れ、観ていて衝撃を受けるものが多いが、ひとつには抑圧され続けてきた人々の歴史が在るからなのだと思った。
1980年代の半ばまで軍事独裁政権が続き、民主主義とは名>>続きを読む
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汚職警官を題材にした作品は数多くあるが、この作品は少し毛色が違うと感じた。
生真面目な新人警官のミンジュは、たとえ犯罪を取り締まるためとはいえ、法を犯したり、容疑者に過度な暴行を加えて自白させるような>>続きを読む
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囚人たちのボスとして君臨するジェホに、若く無鉄砲ですぐに刑務所内でも顔を知られる存在となったヒョンス。
この二人の出会いは互いにとって破滅への道だったのか、それとも人生の苦しみの中に射した一筋の光だっ>>続きを読む
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決して美しい話だけが感動を呼ぶわけではない。この映画に登場する人物はどこか問題を抱えていたり、闇があったり、欠点がある者ばかりだ。それでも人間愛というと陳腐な表現になってしまうけれど、この映画はとても>>続きを読む
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ある大雨の夜に荒川区のマンションで起きた殺人事件と、その事件に関わる人々の群像劇。インタビュー形式の演出と回想シーンを交えながらのテンポの良い展開、特に事件発生から殺された四人の家族が、実は偽りの家族>>続きを読む
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どこか遠くへ消え去ってしまいたい。
誰でも一度はそう願ったことがあるのではないだろうか。
しかし残された者の身になれば、それはとても残酷なことだと分かる。
残された者は何故?とその理由を考え続けさせら>>続きを読む
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年代の明記はないが太平洋戦争真っ只中のある夏の天城山で、ひとつの殺人事件が起こる。殺人といっても最初は脱ぎ捨てられた衣服や鞄などの持ち物が見つかるだけで死体は発見されない。
やがて聞き込みによりおそら>>続きを読む
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緑に囲まれた小道を幸せそうなカップルを乗せて馬車がやって来る。
男の方は女に甘い愛の言葉を囁く。ところが彼女の方は不感症らしく、どこか表情は冷たい。
突然男は女を馬車から引きずり下ろし、御者に背中を鞭>>続きを読む
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ルイス・ブニュエル監督がフランスに復帰してからの第一作で、上流社会の人間を滑稽に描く彼の作風は特にこの頃からより加速して行ったように思う。
時は1930年代、小間使いのセレスティーヌはパリから地方のブ>>続きを読む
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ルイス・ブニュエルの作品の中でも特に挑発的で際どい作品。要所要所にキリスト教に対する冒涜とも取れる皮肉が込められており、公開当初様々な国で上映禁止となったのも頷ける。しかし、ただ際どいだけでなく、観る>>続きを読む
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原題は『Madam de』とあるように、ルイーズと呼ばれている将軍の妻の名字はいつも伏せられている。彼女は夫に隠れて借金を作ってしまい、その返済のために身の回りの物を売ることに決める。毛皮はやっぱり大>>続きを読む
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深刻な水不足が続く中、市の水道局職員の岩切は同僚の木田と共に水道料金の滞納者を訪れるが、滞納者はいずれも彼らの突然の訪問に困惑し、料金を払えないと突っぱねる。
岩切は何度も通告をしたはずだと返すが、確>>続きを読む
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京都でテーラー屋を営む俊也は、ある日押し入れの奥から自分の子供の頃の声が録音されたカセットテープを発見する。微笑ましい歌声に被せて、急にたどたどしいがどこか行き先を指示するかのような自分の声が流れてく>>続きを読む
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ある日突然死んだと聞かされた父親が目の前に現れた。しばらく家に泊めてくれという父親に対して無下に出来ない紘だが、笹一と名乗る彼は本当に自分の父親なのか。
同じような状況になったら自分も戸惑うに違いない>>続きを読む
さすが山田洋次監督というべき人間味に溢れる作品で、観ていて心が温かくなった。
哲夫の真っ直ぐなキャラクターが良くて、恋が動機とはいえキツイ肉体労働を溌剌と行う姿には好感が持てたのと、恋する相手の征子が>>続きを読む
銀河を救うヒーローにしてはあまりにも口が悪く下品なガーディアンズ・オブ・ギャラクシー。
今作品では宇宙人と地球人のハーフであるピーター・クイルの出生の秘密が明かされる。
そして前作以上にキャラクターの>>続きを読む
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冒頭のソーが檻に入れられている場面が、後にこの映画での彼の運命を予感していたことが分かる。
彼を捕らえていたスルトという炎の巨人は、ラグナロクによってアスガルドの滅亡を企てていた。
何とかソーはスルト>>続きを読む
もしテロリストを捕まえるために警察が一般市民を巻き込んでしまったとしたら、世間は激しい非難を浴びせることだろう。
警察組織のおかげで犯罪が取り締まられているわけだが、彼らを監視する目も必要である。
そ>>続きを読む
中国のとある再開発地区で、住民たちの同意を得ないままに建物の撤去が行われたために、大規模な暴動が起こる。
開発責任者のタンは自分もその地区の出身であること、これは未来の子供たちのために必要な事業である>>続きを読む
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とても不思議な世界観を持つラブストーリーだった。
短いカットの連続で映し出される上海の蘇州河の映像。お世辞にも綺麗な場所ではないが、ここには人魚が住んでいるという。
撮影屋を営むこの映画の語り手の姿は>>続きを読む
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愛は満たされている時には幸福だが、満たされなくなった時にそれは途端に憎しみへと変わってしまう。これはまるで春の嵐のように激しく、そして去っていく愛の物語だった。
目まぐるしく移ろう人の心、愛の嫉妬の渦>>続きを読む
「真のリーダーとは自分を遥かに超えるような人材を残す者。」
おそらく多くの人間が力を手にした時に、他人には成し遂げられない大きなことをやろうとするのだろう。
それは成功を追い求めることでもある。
しか>>続きを読む
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手入れされた庭の植栽が物語る、上流階級の人々の長閑な日常の光景。
視覚的には美しいものばかりが描かれているが、常に機械の駆動音のような地面から突き上げてくる不気味な音が不安感を煽る。
そして時折聞こえ>>続きを読む
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綺麗に計算された画面構成に、ミニチュアセットのような可愛らしい世界観、ブラックユーモア、そして独特の抑揚を欠いたような演者の台詞回し。
やはりウェス・アンダーソン監督の作品は視覚的にとても面白い。
が>>続きを読む
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個人的にイーストウッドの監督作品で、彼自身が主役を務める作品はあまり好きではない。
が、これは別格で面白かった。面白かったがこの映画の本質は何かと問われると答えるのは難しい。
主役はイーストウッド演じ>>続きを読む