おれたちの好きな数々の映画を
おれたちの映画たらしめてきた
魅力的な数多の特撮を手掛けた
フィル・ティペット爺さんの
ライフワーク。
悪夢のような地獄絵図なのに
神々しさや美しさまで
感じてしまうのは
マッドゴッドたる所以か
映画館で見る前の日に夢を見たんだけど
予告編で使われていたわけでもないのに
劇中にそっくりなシーンが出てくるという不思議な体験をした。
フィル・ティペットの魂とリンクしたのかもしれない。
JUNK HEADとの類似性もそうだし、カレル・ゼマン、ヤン・シュヴァンクマイエルやデイブ・ボースウィックも連想させる、つまり、悲劇的で悪魔的で戦闘的シュールレアリスム。そして、キューブリック的でもある。2001年宇宙の旅がそうであったように、この映画も評価が定まるのには時間がかかる気がするな。
あと、出演してるアレックス・コックスはあの伝説的なマーズアタック!の脚本を書いてるんだよな。あれももともとはストップモーションでやろうとしたけどえらい金がかかるからCGにしたんだったっけか。ここでも点が線にというか円環がぐるっと一周したような感じがするな。
そうそう、音楽と音響もすごい良かったよ。特に音響はストップモーションによるアニメーションと同じくらいの存在感で世界観やクリーチャーの生きてる感に説得力を持たせるのに多大な貢献をしていると感じた。
ほんとにいいもの見せてもらった
誰にも媚びない純粋なまでの
創作物、果たしてそれは
天使の悪戯か悪魔の微笑みか。