がらがら

グレイマンのがらがらのレビュー・感想・評価

グレイマン(2022年製作の映画)
5.0
やっぱり金掛けた映画って面白いな。

ルッソ兄弟による、Netflix史上最高額の制作費で作られたアクション映画。

CIA工作員の主人公は重大な秘密を知ってしまい命を狙われる。『ジェイソン・ボーン』や『007』で見たような目新しさはないストーリーだけど、シンプルで自分好み。最高の監督に最高の制作費を与えてアクション映画を撮らせたら、そりゃ面白くなるよなと。

全てが最高なんだけど、やっぱりアクションシーンがめちゃくちゃ楽しい。広い空間でのアクションシーンではとにかく金の掛かったド派手な映像をたっぷり見せてくれるし、狭い空間でのアクションシーンでは、早いカット割りでも全く混乱しないルッソ兄弟の腕が光る。中盤の市街地での銃撃戦は『ヒート』好きとしてはたまらない。

会話シーンの途中で、カットを挟んで手早く展開を進める手法も上手い。展開のスピーディーさだけじゃなくて、「世界中の暗殺舞台が奴を狙う」というセリフとともに人種や服装が違う暗殺チームのカットが入るシーンなんかは、短いシーンで状況説明と厨二心をぶち上げてくれる最高のシーンの一つ。このシーンだけでご飯何杯でもいけるんだけど、更にはこいつらを小出しにすることなく一斉に投入してくるもんだから、自分のツボにハマりすぎて頭おかしくなりそうだった。

俳優たちも素晴らしい。主人公ライアン・ゴズリングがかっこいいのはもちろんのこと、キャップのイメージを払拭するが如くのクリス・エヴァンスのイカれ具合も良い。『007ノー・タイム・トゥー・ダイ』で短いながらも抜群の存在感を見せたアナ・デ・アルマスが今作でもその魅力を遺憾なく発揮していて、バディ物的な面白さもあった。と思ったらさらには、庇護欲を掻き立てられる、守るべき存在としてのジュリア・バターズも登場し、『レオン』『アジョシ』的な面白さも取り入れてくる強欲さ。

大好きな監督が、大好きなジャンルを、大好きな俳優を起用し、巨額の制作費を使って撮ってくれた作品。期待しまくって見に行ったのに、更に期待を上回るものを出してくるルッソ兄弟凄すぎる。これを劇場で観ることができて本当に良かった。
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