三樹夫

グレイマンの三樹夫のレビュー・感想・評価

グレイマン(2022年製作の映画)
3.7
令和のコマンドーをNetflixが配信していると聞いて。実際に『グレイマン』の中身はというと、男性と女性のバディもの、主人公が筋肉モリモリマッチョマン(パスポート偽造のおっさんの家の洗面所でのライアン・ゴズリングの上半身裸より判定)、女の子が人質になる、敵が口髭の変態オヤジ、行く先々で暴力が勃発、敵の本拠地のでかい屋敷にロケットランチャー持って殴り込み、人質とハジキも捨ててどつき合いタイマン等々。脚本書くにあたってまずはコマンドーのストーリーを書き起こしたんかぐらいまんまコマンドーだった。
『レッド・ノーティス』とならび大金をぶち込んだNetflixオリジナルで、それでコマンドーを令和版やるとライアン・ゴズリングとアナ・デ・アルマスがクリス・エヴァンスと戦う世界旅行アクション映画で、バンコク、ウィーン、プラハ、クロアチアで世界中を転々とし、行く先々でアクションがある。特にプラハでの市内のアクションは一目で金がかかってるなと思うのと、旧市街の人通りの多い地区では撮影のために主要な広場を10日間閉鎖するなど、実際にプラハで撮影が行われた。

この映画はアナ・デ・アルマスがノリノリでプラハの街中をアウディかっ飛ばし、クロアチアでロケットランチャーぶっ放してるの観れただけで満足する。アナ・デ・アルマス本人は、ミランダが“誰かの恋の対象ではない”という点が気に入っているとのこと。確かにそういういらないシーンは無く、この映画に必要なのはアナ・デ・アルマスが銃ぶっ放して敵をタコ殴りにすることなので、こういうのでいいんだよというのがこの映画を観終わった後の満足感に寄与する。そういえばコマンドーもシンディとの恋愛シーンや、その他凡作でよくあるメソメソ要素などが無く、徹底的にドライな映画だったので、ストーリーの類似点だけではなく精神面でも令和のコマンド―学校卒業制作作品と言えるかもしれない。
三樹夫

三樹夫