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アダム&アダムのRのネタバレレビュー・内容・結末

アダム&アダム(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2022年のアメリカの作品。

監督は「フリー・ガイ」のショーン・レヴィ。

あらすじ

2018年、12歳のアダム(ウォーカー・スコベル)は学校で喧嘩をして停学、母親のエリー(ジェニファー・ガーナー「ファミリー・スイッチ」)とも距離をとる日々。そんなある日の夜、不思議な光景を目にした後、怪我をした男性と遭遇する。その男性とは2050年の未来からやってきた大人となったアダム・リード(ライアン・レイノルズ「ヒットマン・ワイブズ・ボディーガード」)だった!

Netflix独占配信として配信開始された時からずっと気になっていて、ようやく鑑賞。

結論から言えば、なんだ!これはめちゃくちゃ面白いじゃないか!ってくらい最高な作品でした。

主演はみんな大好きデップーことライアン・レイノルズ。一時期のキャリア低迷からデップースピンオフで返り咲き、そっから自身のキャラクターを生かした作品選びで今や再注目されている彼だけど、近年、彼のキャリアを後押しする形で話題となった作品が2021年の「フリー・ガイ」。俺はまだ勿体ぶって未見なんだけど、デップーを知らない人でも、この作品きっかけだレイノルズを知ったという人も多いはず。

そんな「フリー・ガイ」をとった監督こそ本作の監督でもあるショーン・レヴィ。

ショーン・レヴィといえば、当時は全然意識してなかったけど、あの「ナイト・ミュージアム」シリーズの監督でもあり、他にもお仕事コメディの傑作「インターン・シップ」や「デップー3」でまさかのウルヴァリン復帰となるヒュー・ジャックマンの「リアル・スティール」など気になって調べてみたらあれもこれも過去に観て楽しかった作品ばかりじゃないか!!

しかも、どうやらこれからの作品でデップー3とは別にスター・ウォーズの新作の監督にも抜擢されてるとか!!

そんな最注目の監督ショーン・レヴィがNetflixと盟友レイノルズと組んだ作品が今作。

お話はあらすじの通り、主人公のアダムとレイノルズ演じる大人のアダムが組んで時空を超えた冒険を繰り広げる、もう触りだけで楽しい作品なんだけど、今回またまたの主演監督コンビということで、どちらがどちらを招集したのかはわからないが、まずその会話劇がいちいち面白い!!元からアドリブが多いレイノルズだけど、その本気なのか冗談なのかわからない口調で子どもアダムと流れるようなテンポ抜群の会話を繰り広げ、グイグイ観客を引き込んでいく。

また、相手役となる子どもアダム君を演じた新星ウォーカー・スコベル君も良くて、レイノルズにはぶっちゃけあんまり似てないんだけど、黒目がちで綺麗な金髪の美少年という感じでレイノルズに負けず劣らずの存在感を発揮していた。

また、今作要は大人レイノルズのいる2050年がディストピア化していて、その根本を正すためにヒロインで大人アダムの奥さんであるゾーイ・サルダナ(「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3」)演じるローラを追ってタイムマシン型の戦闘機で大人アダムがやってくるわけなんだけど、そこでキーとなる人物でアダムたちの父親ルイスを演じるのがマーク・ラファロ(「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」)。このラファロ演じる若干偏屈なルイスも混ざっての奇妙な親子トリオバディで事態を解決していく様がまた心地よい。上記の三者混じっての会話劇も加わり、ずっとこの関係性を見ていたくなる!

また、肝心のSF要素もめちゃくちゃかっこよくて、大人アダムや敵役が乗る戦闘機やそれによるタイムスリップシーンもスタイリッシュだったし、特に戦闘シーンが凄い!!この大人アダム愛用の武器があるんだけど、その名もマグシル!!非戦闘時は棒状のものなんだけど、子どもアダムが「ライトセーバー」と呼んでいるように戦闘時はその棒から光状のものが持ち手の上下から飛び出し、地面に突き刺して衝撃波で敵を吹っ飛ばしたり、大人アダムが巧みな棒術で敵を薙ぎ倒していくケレン味がたまんなくカッコいい!!劇中では2度ほどその活躍が見られるだけど、中でも大人アダムのピンチに颯爽と駆けつけたローラとの共闘シーンが格別かっこよくて鬱蒼とした森の中で繰り広げられる戦闘アクションという意味でも新鮮味も抜群だった✨

また、SFというと近年の要素として切っても切り離せない「マルチバース」方向には「あえて」いかずに今作独自の「フィックス・タイム」という、つまりは過去が改変されるとその影響下の元でその後の時系列も加筆修正されるという風に持っていくなどマルチバースに若干飽き飽きしている一部の人でも納得いく展開となっているのが面白い。だから、サルダナやラファロなどMCU関連のキャストが多い分、昨今のマーベルにも似ている雰囲気なんだけど、どちらかというと「バック・トゥー・ザ ・フューチャー」のノリに近いとも言える。

他にもまるでVRのような遠隔操作でドローンを操るシーンがあったり、今いる時代で死ぬと死体になるのではなく、存在自体がなくなる=綺麗な光となって霧散するなどオリジナリティ要素もあって面白かった!!

今作のもう一つのキモ、親子の絆描写も良くて、ラファロ演じるルイスは子どもルイスがいる2018年の2年前に事故で亡くなっちゃってるんだけど、そのことを知った上で3人が行動してるから楽しい反面、切なさも込み上げてくる!!それが高まるクライマックス、事態も収束し、いつ元の時代に戻される時がわからない中、最後に3人で唯一の親子の触れ合いだったキャッチボールして3人で交互に球を投げ合うシーンがものすごく感動的で、2人が元の時代に戻って消えた後、切なげに、そして満足気に空を見上げて寂しそうに立ち去るルイスの姿にもう…感涙。

あと、お母さんエリー役のジェニファー・ガーナーも良かった!!大人アダムと出会う前はお母さんとも距離を置いていた子どもアダムだったんだけども、元に戻った後は大人アダムとの記憶も改ざんされて消えている状態なんだけど、「お母さんを大事にしろよ」という大人アダムとの約束がちゃんと心に残っていて、最後にお母さんを後ろから抱きしめるシーンとか俺もお母さん大事にしないとなぁと再認識させられましたよ、うん。

そんな感じで楽しくて、ちょっぴり切なくて、でもやっぱ楽しい独占配信作品の中でも上位に食い込むくらい面白い作品でした。オススメです!!
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