アフリカ大陸、コンゴ共和国・東部ブカブ。
20年以上もの間、この地に住む40万人もの女性達は武装勢力によりレイプの被害を受けていた。
被害者の女性達を無償で治療する婦人科医デニ・ムクウェゲさん。
4万人もの女性を治療してきた。
彼が設立したパンジ病院には肉体的、精神的に傷ついた女性達が運び込まれる。
壮絶なレイプにより命を落とす女性もたくさんいた。
中には18カ月の女の子も。
この地はレアメタルや錫などの豊かな鉱物資源が採れる。
そのため武装勢力はその利権を得るため住民を暴力で支配していた。
暴力、それはレイプだった。
子供からお年寄りまで手当たり次第だった。
頭が狂っている。
元武装勢力の男2人にインタビューするシーンがあった。
その2人は家族を持って幸せそうに見える。
そして反省しているとは思えなかった。
コンゴの女性達を助けたい、彼女達に平和をもたらしたいと言う思いからムクウェゲさんは世界中の人達に訴えかける。
パソコン、スマートフォンはコンゴで採れる鉱物資源から出来ている。
私達が今ではなくてはならないような物。
その資源が女性達の平和や命を奪っている。
ムクウェゲさんは訴える
「遠く離れたアフリカの国で起こっているとは思わないでください」
知らなかったとは言え他人事と考えてはいけない。
そして来日したムクウェゲさんは好きな日本語があると言った。
「利他」
この言葉を使いムクウェゲさんは私たちに訴える。
他者を思い、世界で起きている事を想像する力。これこそが今必要なのだと。
2018年、長年の活動でムクウェゲさんはノーベル平和賞を授与された。
その時のスピーチ
「私たちには、歴史を変える力があります。闘うための信念が正しいものであれば」
幾度となく命を狙われる。しかしまだまだ闘いは続く。
ずっとしかめ面の私。
怒りと悲しみが込み上げていた。
身も心もボロボロにされた彼女たちの前向きに生きる姿を見て涙が込み上げた。
もし、ムクウェゲ医師がいなかったらもっともっと亡くなった女性達がいたに違いない。
絶対に許される事ではない。
立山芽以子監督