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プレデター:ザ・プレイのhebのレビュー・感想・評価

プレデター:ザ・プレイ(2022年製作の映画)
4.0
印象的に差し込まれる食物連鎖の描写から、今作が「狩り」について根源的な部分から語り直そうとする作品である事が窺えます。
シンプルに狩りにフォーカスする為に時代を大きく遡り、さらに女性を主人公に据えることで現代的なテーマもうまく絡める事が出来ていて、シリーズ作品としてやるべき事と新しいチャレンジとが高い次元でまとまっている様に思います。

未熟さや弱さ含めた自分の力量と対峙する相手との差。
全てを受け入れた上でしっかりと「見る」事のできるこの主人公だからこそ成立したラストバトルは、ここまでの経験全てを集約した様な鮮やかな知略とアクションを経て壮絶な決着を迎えます。
狩るか狩られるかの世界の中で彼女が言い放つ「私が見えていない」という台詞。展開上のギミックとしても作品を貫くテーマとしても、多くの意味を孕んだ最高のフレーズではないでしょうか。

朝焼けの中仕事に向かう女達とは逆方向に踏み出した少し不安そうな彼女の顔と、プレデターの首を持って緑色の返り血に染まりながら村に戻ってきた彼女の顔、全然違うけどどちらもとても魅力的でした。
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