マッドマックス：フュリオサのhebのネタバレレビュー・内容・結末

ガスタウンやバレットファームの全貌、本領発揮とばかり儚く散っていくウォーボーイズのあまりに哀れな戦いぶり。怒りのデスロードで想像力を掻き立てられた数々の要素が映像化され、見たかったものを次々に見せてくれるスピンオフならではの美味しさがたっぷり。
メインヴィランであるディメンタスの小物っぷりも見所でしょうか。所詮入れ知恵でしかない付け焼刃の統治論でイモータンジョーに挑むものの、イカレた宗教をバックに持つ強固な戦闘集団の前にあっさり敗走。とにかく口先三寸で何をやらせてもハンパなゴロツキというのは実はこのシリーズにあんまりいなかったタイプな気もします。

通して面白く観ましたが、これは前作「怒りのデスロード」がそのダイナミズムを損なわない為に切り捨てた諸々のパーツを拾い集めて一本の作品にした様な、まさに二次創作的な作り方でもあると感じました。
勿論スピンオフ作品なのでそうなって然るべきなんですが、やはり前作の持つ圧倒的なライド感、「持っていかれる」感覚とは程遠いというのが正直な感想です。
とは言えあんな奇跡の様な作品が立て続けに何本も出るわけもないので、今作でやるべきことは充分以上にやってくれたと思います。

ただただ怒りのデスロードがあまりにも大きな轍を残してしまった、嫌でもその事を再確認させられる視聴体験でした。

それにしても幼少期フュリオサの子はCGかなんかでやってるんでしょうか？大人フュリオサとの切り替わりがよく分からないくらい似た顔立ちでちょっと不思議でした。