歩葉戸路素

ケータイ小説家の愛の歩葉戸路素のネタバレレビュー・内容・結末

ケータイ小説家の愛(2009年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

面白すぎて気が狂うかと思ったわ…

陳腐だとか退屈だとかじゃなくて
ただ有り余るクソバカパワーが空振りして竜巻起きている感じ
メイキングもめっちゃ笑った
出演者も物語の理不尽さに呆れてツッコミまくってる

キングオブケータイ小説

日本が舞台の映画なのに
魔界のような異世界感を覚える物語
岩田村くん君のこと一生忘れないよ…

あらすじ
非凡な女子高生『アイ』が初体験やレイプやドラッグという不幸な実体験をネタにしてケータイ小説を書くという物語

彼女はケータイ小説の帝王、HIDEKIに憧れ、自身もケータイ小説家になることを決心する
そんなある日、同級生のヤンキー友樹が不良たちに絡まれていた愛を救ってくれたことから二人は付き合うようになりカップルとなる
そんな二人に田村という幼馴染が絡み物語はややこしい展開へ…

まずこの主人公アイの人格がやばい
公式のあらすじだと平凡な少女とか言われてるが…どこがだよ!!
レイプ、ドラッグ、自殺、DV…自分に圧しかかる不幸を全て『小説のネタ』として消化してしまうスゴ味は正にケータイ小説版岸部露伴とでもいうか…
こいつマジで弱味ねぇなぁ!と一周回って尊敬に値するレベル

MVPは幼馴染の男子『岩田村くん』
校舎で偶然主人公と友樹のセックスに居合わせてしまい
「ああああああああああああああああああああああ」
と発狂する場面は世紀の名シーン

その後も彼は主人公に裏で小説のネタを提供したりサポートするのだが
映画中盤、不幸がマンネリ化してネタ切れで消極的になった主人公に
不幸ネタを提供するため…
なんと岩田村くんは…

飛び降り自殺するのだった!!!

アイはそれを知りDV、レイプより不幸な体験が出来たゾ!となって
その自殺さえも小説のネタに昇華してしまう…
狂ってるよこの世界…

その後も倒錯した世界は続き意外な結末を迎える

こんな映画に出演した俳優さん達は一体この物語に何を感じたのか?
DVDメイキングでこんなことが言われていた

後半活躍するケータイ小説家HIDEKIを演じた俳優さんが
『前半作家HIDEKIと主人公が絡むシーンが無いのに、後半で急に惚れる展開は伏線が無さすぎる』
と映画の物語を批評し厳しく指摘

岩田村くんの役者もメイキングで『これは幾ら何でもあんまりだよ…』苦言

主人公を演じたアイ役の女優さんも映画の彼氏の友樹に対して
『こんな男現実で付き合うとかマジ無理だし…』
とコメント

中々に厳しいが正論な感想がズラリと聞けるが、それでも最後には役作りに励もう!とプロ根性を魅せる辺り役者の鑑である

DVD特典インタビューで出演映画をボロクソ言う役者陣というのは
『サンゲリア』『ゾンビ3』を彷彿とさせるので
やはり日本はイタリアとウマが合うのだろう…
歩葉戸路素

歩葉戸路素