みおこし

すべてをあなたにのみおこしのレビュー・感想・評価

すべてをあなたに(1996年製作の映画)
3.9
トム・ハンクスが長年温め続けた企画を映画化したという本作。個人的にツボど真ん中の爽快な青春映画でした。

1964年、ペンシルベニア州にある町エリー。ジャズとドラムが大好きな青年ガイは、友人からバンド「ワンダーズ」のドラマーの代役を頼まれる。コンテストでの演奏が高評価で、彼らはデビューの切符を手に入れるのだが...。

まさにザ・ビートルズを彷彿とさせる若いバンドメンバーが恋に悩み、仕事に悩み、名声に悩み...という音楽映画にありがちな展開ではあるものの、とにかくみずみずしい印象がほとばしる作品で、観終わった後の爽快感がたまらない!
60年代当時の音楽トレンドをとにかく再現度高く表現していて、表題曲の"That Thing You Do!"は一度聴いたら耳に残る素敵な楽曲。この年のアカデミー賞歌曲賞にもノミネートされています。なんと「マイ・シャローナ」で有名なザ・ナックも後にこの曲カバーしてます!すごい!!
楽曲のみならず、衣装や髪型、舞台上での演出もどこまでもレトロ!トム・ハンクス監督のこだわりが細部に冴え渡ります。

主役4人の葛藤のみならず、メンバーの1人の恋人であるフェイの心境も描かれている点もGOOD。しかも演じるのは、あのエアロスミスのフロントマン、スティーブン・タイラーの娘リヴ・タイラーというのもミソ(笑)。人気の上昇とともに変わっていく環境や状況、なんて切ないんでしょう...!
最初の方にチョイ役でシャーリーズ・セロンが出ているのにも驚き。でもまさにステレオタイプなブロンド美女の役で、今や世界を代表する演技派の彼女が演じるべき役ではないなぁと時代を感じました。
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