まちむら

夕方のおともだちのまちむらのネタバレレビュー・内容・結末

夕方のおともだち(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

個人的にMでも、与えるMと奪うMがいると思うんだけど、ヨシオはたくさんのこと与えすぎて逆に奪っちゃうMなのだろうなとぼんやりと思いました。ユキコ女王様も怖くなっていなくなっちゃうぐらいだし、ヨシオのことが好きと言いに家まで来た同僚に対しても凄いことしてたもん。

お店の店長、結構 的を射てるようなグサッとするようなこと言ってた。「君にとってのお仕置きは無意識に自分の中の何かを治療するためであって、君は癒されつつあるからお仕置きを必要としなくなっているんだ〜うんたらかんたら」ってやつ。SMを嗜好としている人に当てはまりやすい事なのかもと心当たりがあったので。でも、トンズラするような店長だから、当てにしなくてもいいかと私的に思うことにしました。いや、そもそも物語のセリフだけど。

ミホさんとの関係性が良かった。女王様と奴隷から始まったのが その枠組みから少しはみ出していく関係になっていく感じが。友達とか恋人とかではなく名前のない“ヨシオとミホさん”という関係性。最初敬語だったのにタメ口になって対等な感じになっていったり、本棚作るの手伝わされたり、ご飯作ってもらったり、ほっこりした。ミホさんは本当のSではないから、力まずに自然と打ち解けられたのかもね。

最後のシーン、ヨシオは死んでしまいたかったのかな。ユキコ女王様の命令では、生きる選択肢も与えてもらってたから、もしかしたら生きようともがいてたのかな。どっちかわからないけど、死ななくてよかったと私は思ったよ。ミホさんとこれからものんびりずっと仲良くしててほしい。


SMを取り入れた物語だけど、日常的な風景と淡い映像で大きな進展もなく、淡々と進んでいく感じで、最近見た映画の中で一番良かった。きっと、また見返す映画になるだろうな。次見たら新たな解釈が見つかりそうです。
まちむら

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