大自然

ONE PIECE FILM REDの大自然のレビュー・感想・評価

ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)
4.5
奪う
→平和や平等の世界
→望んでいるようで、完全にそうなるとそうなるで不安
→平和のもつれ
→崩壊
→元の奪う世界へ(ただし、実態は奪うとされていた人が正義で、正義とされていた人が奪っていたという事実の明るみ)

一般人
海軍でさえ守れない弱者層にウタは着目
→ただ、自由でもいけなく、やりたいことに向かって進みたい、ずっと遊んではいられない、そんなに急に考えを変えることはできない、ある意味、天竜人のような神の存在の奴隷になっても、天竜人を虐げることの方が不安
苦しい現実から目を背けるため、歌や仮想世界に没入する(仮想世界を作ったウタ本人も同じ)

海軍
世界を守るためには犠牲はいとわない

五老星
たとえ天竜人を巻き込んでも、、という発言から、やはり強者寄りの考え方

ウタ
眠れないと、人をおかしくする
途中でわかってはいても、引き返せない
自分は正しいんだ、海賊がいけないと思い込むことで、シャンクスに捨てられた悲しみを紛らわそうとしている
自分で仮想世界を構築して、トットムジカの発動=世界にダメージを与える一方、仮想世界を救う諸刃の剣を使い、世界を元に戻す、矛盾した行為

新しさ
①仮想世界=ウタの願望と、仮想世界の人々も時にウタの願望に反する、自我を持った行動が行われていた
②新時代は、権力よりも電電かたつむりによる大衆の圧倒的支持の力が上回る時代、上下関係がなく、仕事や勉強もしなくて良い、かねてから望んでいた理想的な環境を、実際に実現する方法の提示とそれに対する弊害や不安感まできちんと描かれていた
③楽譜に人が音符となって張り付く技
④これまでに見たことのない、3D映像クオリティ、特にワンシーンワンシーンの色の数、tot musicaのシーンでは、adoさんの『うっせぇわ』の色味を使用
⑤家庭環境の変化への共感
シャンクスの娘と言いつつ、フィガーナンチャラ家の血筋や、本当の父のように
思っていたという発言から、実の子ではなかった、ゴードンという第二の父の存在
⑥公開前に出ていた曲を聴ける楽しみと、公開して初めて聴く曲のワクワク感と、終わってからもう一回聴く楽しみを与えてくれた映画は初めて!adoさん最高
⑦映画を観る行為も、音楽や仮想世界と同じく、逃避行為だと自覚

残念だったところ
①幼少期のウタとadoの声が幼少期ではないため、キャラクターと声が噛み合っていなかった
②tot musicaの古代の歴史が書いてある倉庫のようなところでの戦闘シーンが、古代の遺跡たちの敵役がパッとせず、面白味にかける
③歌のシーンのカメラワークが激しすぎて、目が痛くなる、色が多かったり、テンポが良すぎたので、もう少しシンプルが良かった でもシンプルだと単調ともとれるので塩梅が難しいだろう
④tot musicaが強そうに見えない
⑤adoさんのバラード曲がイマイチ
⑥うるっとくるシーンがなかった

大筋は、みんなの希望を叶えて新時代を作るという夢は、実はシャンクスに裏切られたと思い込みたいウタの逃避行先であった。お前の夢は、世界を平和にするんだというシャンクスの言葉に、実はウタは従っており、皮肉な話である
段々とウタがおかしくなっていく様が人間そのものである
シャンクスに裏切られる→海賊というルフィを切り捨てる→一般人の夢を叶えたつもりが逆に反発を呼んで、言葉の海によりパニックに陥る→シャンクスと再会して、敵だと思い込みたい→海軍が一般人を殺し始め、自分の理想の実現の邪魔をされて、犠牲を出してしまった罪悪感→理想の実現と反対の方向に行ってしまう自覚がまたおかしくさせる
大自然

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