ヤドカリ亭

渇水のヤドカリ亭のレビュー・感想・評価

渇水(2023年製作の映画)
2.5
飲み仲間の一人に元水道局の職員がいて、彼女から職場の上司のグダグダぶりとか、面白おかしく聞かせてもらっていた。

なんか水道局の現場職員は普通の市役所職員とは違って異動がないらしく、人間関係が閉塞している雰囲気の話だった。

彼女と出会った頃はすでに職場でのやりがいとかは諦めて、自分の仕事だけをキッチリこなし、生きがいはお稽古ごととか、グルメ・旅行に求めて優雅に生活しているように見えた。

それでも彼女が醸し出す渇きの感情は嫁ともども受け取っていて、今でも時たま嫁との会話に登ってくる。

ある時突然、彼女は飲み仲間グループから完全に連絡を絶ってしまった。どうした?どうした?と仲間内で連絡を取り合っていたがそれも彼女の意思であり、今はそっとしておこう、となった。

生き方は人それぞれであり、なにもかにもは共有はできないが、それでも彼女がそこにいないのは寂しい。

願わくば彼女が閉じられた水道栓を解き放ち、思いの丈を叫べる日が来ますように。
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