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メタモルフォーゼの縁側のSoulFoodKitchenのレビュー・感想・評価

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)
4.0

見た後はホンワカと幸せな気分にさせてくれました。
映画的な奇跡や偶然、ハプニング、ましてや事件も起こりません。
チョット地味めでBL漫画が好きな主人公であるウララちゃんの極めて等身大で平凡な日常の一年が切り取られていくだけです。
いつも弱気で自信ないウララちゃんに「もう少しガンバレ」とイライラしながらも応援していました。
でも、老人である雪さんとの出会いで、ウララちゃんの日常は少し変化します。
それは、小さな一歩・・イヤ、半歩の前進かもしれません。
ラスト近くのウララちゃんの「今日は完璧な1日でした」と言う言葉に表れてます。
また、雪さんは昔から文学や絵やファッションに親しんできた事が、わかります。
今でも感性と好奇心は瑞々しくBLにもスグに反応します。
おそらく「女らしく」「年寄りらしく」と言われたのでしょう。
でも、雪さんは、そんな事は気にする素振りも見せませないし男の子同士の恋愛も「ステキね」と言います。
周りの目を気にするウララちゃんとは対照的で、内面はウララちゃんよりも若々しいです。
でも、雪さんはウララちゃんに「もっと頑張りなさい」とか押し付けがましい事言いません。
暖かく見守り「才能がないと漫画を描いちゃイケナイの?」と言うぐらいです。
そんな自由な雪さんと一緒に居る事が心地よく刺激にもなったのでしょう。
この映画は「らしく」なんて気にしないで歳を取っても好きなものは「好きなものは好きと言えばいい自由に生きなさい」と言うメッセージも読み取れました。
とても素敵な映画でした💕
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