ひろき

メタモルフォーゼの縁側のひろきのレビュー・感想・評価

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)
4.3
こんなに緩く淡々と描かれている作品なのに、なぜこんなにも引き込まれたのだろう。まずはもちろんBL、女子高生(うらら)とおばあちゃん(雪さん)という設定の面白さもあるだろうし、演技もめちゃくちゃ上手い。おばあちゃんのはつらつとした愛らしさ、女子高生の多感な時期特有の、人に対しての絶妙な距離感を表現していて、分かるぅという気持ちになった。そしてストーリーの軸として描かれる漫画がまた奥行きを出していて、それが伏線にもなっている。それと、環境音もすごく上手く使われていて、蝉の声やチャイムの音、外のざわつきだったりを大きめに表現することで、自分が当事者としてその場にいるような気分になる。それとストーリに奥行きを加えているのが、漫画家の先生(コメダ先生)との関わりと、幼馴染の男の子(つむぐ)とその彼女(えり)。
好きなシーンは、うららが、留学が決まったえりを呼び止めて「頑張って」というシーン。「目標を持って真っ直ぐ頑張るって大変だよね」というセリフもあるが、うらら自身が何かに向かって頑張る経験をしたことによって、友達とは言えないけど頑張っているえりを応援したくなったのだろう。また終盤の「完ぺきな1日だった」と雨の中言うシーンがあるが、序盤の漫画の中のシーンと重ねているところもグッときた。あと、「うららさんはすごい」と言われて、悔しさがより込み上げて泣くシーンがグッときた。あと、コメダ先生に、「行き詰まっていて元気でた」と漫画を褒められるシーンがグッときた。
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