このレビューはネタバレを含みます
マジでどうしようもないことがあるんですよ。たくさん。
こっちの生活考えてないだろみたいな締切とか、無茶苦茶で抽象的な指示出してくる偉い人とか、その割に大して数字にならない結果とか、それに対して無力な自分とか、ストレスで食べたスイーツのせいで増えた体重とか、とにかく、たくさん。絶望も悲愴も苦悩もずっと這い回る世界で、それでも、こんなことを地道にやってこれたのは、やっぱり、自分のつくった何かが誰かに「刺さって」くれた瞬間があるからで。
どうにもならないあの日の悔しさを、悲しみを、喜びを、全部洗い流してくれて、感謝の気持ちでいっぱいです。
誰かの愛や根性ややり甲斐を人質にするようなやり方に辟易して私はこの道を外れましたが、それでも、そんなものを愛したいと思う私のまま、この映画に出会えて良かったです。
オタクすぎて王子千晴のモデルが誰だか２秒で分かったしリデルの結末で泣いちゃった。「自己犠牲の美」を唱えて熱狂的ファンを集めたクリエイターが長年の沈黙を破って作った新作のエンディングで「自己犠牲なんてクソ喰らえ」になる流れ、もう完全に私の愛するあの人のそれすぎたので……（指示語しか使えない病気？）
