「覇権をとる、憧れを越える」
「作品をつくる」ということに対する
熱量がこもっている。
その熱にあてられて興奮が冷めない。
主人公も、ライバルの王子監督も
作品の出来のために何も惜しまない。
作中アニメ主人公、
トワコの「全部あげる!」を実践
し続けている。
同時に2人にはプレッシャーや、様々な人の意見・感情に揺れる側面がある。
そこに等身大の人間性を感じられる。
そんな人間的なところを見せながら、
圧倒的な熱量を持ち続け、
自分の想いを誰かに届ける、そのために全身全霊をかける姿勢が胸に突き刺さる。
辻村深月作品はいつでも数cm、あるいは数mm、前を向く力をくれる。