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私だけ聴こえるのUghのレビュー・感想・評価

私だけ聴こえる(2022年製作の映画)
4.5
聾の家族(デフファミリー)の中で、聴者の子供(コーダ)として生きる少女らの3年間を追ったドキュメンタリー。


誰もが自分の居場所を欲しがってる。安心出来る所、自分が自分でいられる所。どこかに一つでもあれば救いとなり、生きる原動力に繋がると思う。

コーダが集まる12日間のキャンプに参加した子供たちは、ここが私の居場所だと感じたと話す。聾の家族や親戚からは、通訳として頼られるが“聞こえる”という理由で距離を取られ、学校では“ありのままの自分”でいると頭がおかしいと思われる、と。

「手話を使いながら話した方が落ち着く。字幕のような感覚がある」
「本当に聾になりたいわけじゃない。何処か一つの世界にいたいだけ」
「身振りが大きく、身体にもよく触る娘にはなかなか友達ができなかった。でも、キャンプに迎えに行った時“私は聾でも聞こえる人でもない、私はコーダ!”と歌っている姿を見て、娘の気持ちを知るきっかけになった」



役者でありNHK手話ニュースのキャスターでもある那須英彰さんが登場したのも嬉しい。通訳士でもあるコーダが観に行った舞台で、2011年の震災の様子を手話で演じていた那須さん。手の動きだけでなく、表情や体の動かし方も含めて初めて手話という言語になる、と改めて感じることができた。
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