順風ライフseason4

私だけ聴こえるの順風ライフseason4のレビュー・感想・評価

私だけ聴こえる(2022年製作の映画)
4.0
自分たちは、ろうでも聴者でもない「コーダ」という種族だと序盤で語るのだが、それが終わる頃には少しわかる気がする。学校で、声が大きい、身振りが大きい、ボディタッチが多いと言われる。ろうじゃないけど聴者にも馴染めない。もしかしたら聴力が落ちてるかもと病院に行く、“正常”だと言われて落ち込む。ろうになれると(親と兄のことが理解できると)思ったのに。目を見て話すことができないときに聞き取りにくいと思ったのかも。コーダのキャンプで、手を動かしながら話すのは字幕のようなものだと言う子がいた。コーダという言葉が使われ始めたのが1984年頃。横のつながりの重要性を感じる。
自宅に学校の友だちを呼んでパーティーするときに、ろうの母親が通訳してとせがんだり、手話で話しかけるのを無視した娘をジトっとみるのがしんどかった。3-4歳ごろから親の通訳役になったと言う。子が聴者だとわかりショックだったと本人を目の前にして話す親。通訳役というヤングケアラー。ろうと聴者、言語や文化のちがいの狭間で生きること。