てるる

マンデラのてるるのレビュー・感想・評価

マンデラ(2021年製作の映画)
4.2
第3.6回インド大映画祭2022上映作品。

タミル映画に欠かせない名脇役ヨーギ・バーブことヨギバブちゃん(勝手に略)が主演を張った作品。

国としては廃止されたはずのカースト制度が未だに色濃く残る田舎村が舞台。

そんな小さな村だけど村長の2人の息子が北と南に分かれて争ってる。
時期村長選挙で拮抗する2人。

最後の1票は、ヨギバブ演じるカースト底辺のスマイルことマンデラが握ることに。

今まで虐げられてきたマンデラが急にちやほやされて分かりやすくイキっちゃうの笑った。
でもああなっちゃうのも分かる。

イキっちゃう主人公をたしなめつつ見捨てない光の親友くんがいるのはインド映画あるある。
あと郵便局員も良かった。

その1票のために賄賂漬け。
だんだんとエスカレートしてバイオレンスや殺し屋まで出てきちゃうのはタミル映画らしくて好き。

最終的な選挙結果発表にハラハラ。
ラストの胸アツ展開は涙無しには観られない。

カースト制度や政治・選挙をテーマにした社会派映画なんだけど、こうやってちゃんとエンタメ映画として面白くなるの凄い。

改めてインド映画の底力を感じさせられる。
日本では差別とか政治はどこかタブーだったり、敬遠されがち。

インドは色々と問題も多すぎる国だけど、少なくともこういう作品を作ることが出来る点は見習うべきだと思う。

今ならキネマ旬報シアターで9/16まで上映してるので、気になる方は是非観に行って欲しい。
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