KingKazukiManji

1950 鋼の第7中隊のKingKazukiManjiのレビュー・感想・評価

1950 鋼の第7中隊(2021年製作の映画)
4.5
前提として、本作は賛否がかなり分かれる作品だと思う。もちろん誇張させ過ぎてる描写は多々見受けられたが、それをプロパガンダとして受け取るのではなく、エンタメとして受け取り消化できるかどうかなのではないかと感じた。自分はエンタメとして消費できて、かなり面白かったし、映画として楽しめた。だから、プロパガンダだから、見るべきじゃないという意見も頷けた。

そして本作はなんと、シリーズ2作品目らしい。
1作目のことも知らなかったし、見てもないけど、全然楽しめた。そして続編もあるらしい。本作の終わり方が良かっただけに、どうやって続けるのか気になる反面、蛇足になりそうでもあって怖い。

最近、中国共産党の言論統制や、ハリウッド映画を禁止したりする動きには、目を見張るものがある。本作も、中国共産党中央宣伝部・国家電影局によるプロデュースと直接指導が入っているので、プロパガンダ映画であることは紛うことなき事実であろう。なんと言っても監督にツイ・ハークとチェン・カイコー、ダンテ・ラムの3人が関わってる時点でだいぶ怪しい。だがしかし、個人的にはエンタメ映画として、かなり面白かったし、共産党の介入によって映画として成功していたように思えた。

というのも本作は、映画スタッフ1.2万人、エキストラ7万人、450社に及ぶVFXスタジオが参加するなど製作費270億円を掛けて作られている大作だからである。巨額の資金を投じることによってクオリティも高く、スケールの大きな映画を描ききれていたと思う。特に7万人を投入したエキストラは、戦場の臨場感が増し、よりリアリティを感じれた。

本作の凄い所は、常在戦場のような、兵士たちの戦争という日常をリアルに描けていたことだろう。175分という長丁場ではあるが、その殆どが戦場でのシーンであるのだ。あたかも戦場にいるような臨場感が味わえた。

毛沢東が出てきた時点で、プロパガンダ色は強くなってきたであろう。ただ、歴史上の人物だし、個人的に毛沢東は嫌いじゃないので、アツかった。

特に毛岸英のシーンは泣けた。

でもこれ史実だと、炒飯作ってる時に死んだとかなんとかと、聞いた。

プロパガンダというが、戦場で戦った兵士たちがいたことは紛うことなき史実なので、フィクションが混ざっていたとしても、彼らの勇姿に心踊らされた。

個人的には戦闘シーンでの早回し過ぎてる何が起きているのか分からない所と、エキストラを万単位で使っているから、臨場感が溢れる戦闘シーンと、空爆のCGの落差凄すぎる所が、残念なポイントだった。
KingKazukiManji

KingKazukiManji