ペコ

冬薔薇のペコのレビュー・感想・評価

冬薔薇(2022年製作の映画)
3.6
不良仲間とつるみ、周囲に頼りながら生きていた青年の姿を描いた本作。色んな出来事や、偶然がキッカケで思いもよらない方向に人生は進んでいってしまう。世の中のせいなのかもしれない。自分のせいかもしれない。主人公の淳は親や友人に頼ってばかりで、自分では何もしようとしない青年。謝らないんじゃなくて謝れない淳。淳を見ていると可哀相に感じる部分もあるけれど、やっぱり自業自得だなと思ってしまう。気付いた時にはもう遅い…。それと同時に自分は周囲の人に支えられてるから生きていけるのだと考えさせられました。向き合い過ぎると従弟のような子に育ってしまう。向き合わなすぎると淳のような子に育ってしまう。子育って正解が無いからこそ難しい。でも何があっても親と子の繋がりって切れないものなんだと感じました。ラストは「ここで終わるのかぁ」って感じのなんとも言えない切なさを感じる終わり方でした。
日本映画界を代表するベテラン演技派俳優陣が勢揃いしていて見応え十分でした。伊藤くん、色々あったけど、あなた良い役者だよ。これからも期待しています。
冬薔薇のように、辛く苦しい時でも懸命に生きていれば春はきっと訪れるだろう。
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