ジェイティー

GHOSTBOOK おばけずかんのジェイティーのレビュー・感想・評価

GHOSTBOOK おばけずかん(2022年製作の映画)
3.4
小学生の一樹、太一、サニーの仲良し三人組は、ある願いをかなえるべく夜中に現れたおばけに教えてもらったおばけ図鑑を昨日までなかったはずの怪しげな古本屋から持ち出したところ、さっきまでとは妙に違う世界に変わっている事に気づく。一方臨時教員の瑤子先生はその模様をみており、追いかけた結果3人と同様に巻き込まれてしまうお話。

原作とアニメを観ていないのに何故か鑑賞してみました。
思っているより面白いと思います。
子供目線で観るときっと登場する妖怪達は怖いかもしれませんし、ポケモン方式で図鑑を作り願いを叶えるというストーリーはワクワクするのかなぁと思います。
大人目線で観ると同様に楽しめる箇所ももちろんありますが、少しばかり物足りない部分があるのも事実で、子供たちのキャパを考えて製作されたんだろうなと観ていて感じました。
その辺は正直気にせず製作しても良いと思うのですが、制限することで功を奏したケースもあるので一概には指摘できない点ではあります。

子供たちの演技については、台詞回しは抜きにして合間のちょっかい出し合いは結構自然で本当に仲が良さそうなのは良かったですね。
一瞬ですが、町の端に来て自分たちが隔絶された世界にいると知る序盤の場面で強がりな太一君がズボンをぎゅっとしている芝居をしているのは子供の不安な心理描写としてうまいなぁと感心しました。
ところでガッキーに似てる臨時の先生が来る学校って何なんですかね、
僕もそんな小学校時代を送りたかったです。
この場面でふざける生徒を注意するのですが僕が少年時代(90年代)の作品なら頭を小突かれるんだろうなぁと表現の変化が逆にノスタルジーを感じてしまいました。
ガッキー先生最後の表情は彼女史上でもベストアクトだと思います。

山崎監督は本当にVFXについては文句の言い様がなく、日本の限られた予算でここまで作れるのは凄いです、ジュブナイルのように子供達を主役にした作品作りが合っているんだろうなと本作を観て改めて感じました。
大抵エピローグがよろしくない監督さんですが、本作は今までで一番良かったです。

お父さんお母さん、夏休みにお子さんと観るにはうってつけですよ!