このレビューはネタバレを含みます
冤罪により藩を追われ江戸の長屋で暮らす柳田格之進は事の真相を知り復讐を決意するお話。
恐らくSMAP解散後初?の時代劇ですが、元が落語という事もありシンプルに楽しめました。
台本をほとんど読んでいない、演じる時は何も考えていないとつよぽんは言っていましたが、かつてのがり勉スタイルから今のスタイルに至るのは正に宮本武蔵の無刀みたいでかっこいいですね。
今回は好きな俳優の國村準さんも沢山出ていましたので満足しました。
観ていて思った事は囲碁の場面がかなり多かったので詳しいとより心情が分かりそうでしたね。
その代わりきちんと役者さん達が所作で表現してくれていたので「あ、駄目なんだな」と詳しくなくても分かるような仕掛けには入念だったように思います。
気になった点としては少し音楽が大きく感じた点ですか。
囲碁の場面では打つ時の音を大事にしているのか控えめでしたがそれ以外のところがそういう風に感じました。
それと好みの問題ですが時代劇を観ていてピアノとかの楽器を聴くのは少し違和感を感じます。
ラストの場面について色々な意見を他の感想で読みましたが、
僕は単純に自分の手によって脱藩せざるを得なかった人達のために巻物を売り、そのお金を持って罪滅ぼしに旅立ったのかなと思いました。
本編中、脱藩者のその後を尋ねる場面がありましたしそうかなと・・・
自らは清廉潔白に努めたつもりが誰かを不幸にしたという事に後半主人公は悩みますが、キリのない問題に頭を抱えてしまう所に主人公の生真面目を感じますね。
この辺は本編でどういう振る舞いをしていたか描かれなかった為、実際の所はどうだったのでしょう。
まあこれ以上は色々な所のディスりになってしまいますので控えますが正直主人公には同情してしまいます。
仇討ち探しと共にちょっとしたことがきっかけで娘が吉原で働いてしまうかもしれないという時間制限などがあるためちょっとハラハラしたりと娯楽要素も含んでいて観やすい思います。
週末に是非ご鑑賞くださいませ。