Yムラカミ

RRRのYムラカミのレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
4.5
バーフバリやカンフーハッスルなどの現実離れしたアクションを見たいならこの作品を超えるものはそう見当たらないし、ナートゥダンス踊りたくなる。

アクションで言えば冒頭のラーマの群衆に飛び込んでもみくちゃにされながら表情を変えずにハンターの如く標的を追いかけるシーンは圧倒されるし、予告編にもなっているラーマとビームが炎と水でしばき合う空中戦もド直球なアニメのような対立関係で笑いが出るほど圧倒された。

ビームとラーマは実在したインド独立の闘士だそうで実際には出会ってないが、”もし”出会っていたらと考える歴史空想物語としての役割も果たしているのだろう。
日本でも名が広く知られていない闘士はたくさんいるように、自由のために戦ったマイナーな男たちを取り上げる題材も良いなと。
(一番最後のエンディングのダンスで出てきた人物たち)

ラーマの戦う時の冷徹な無表情とビームと話す友としての顔、そして最後の共闘する戦友としての顔つきの違いが素晴らしい。

アクションに対して「なんで肩車?」とか「なんで橋から二人とも飛び降りる?」とか思うのが凝り固まった常識に囚われている証拠で、そんなのカッコイイからに決まってるしストーリーを見ていると足を怪我してるからとか二人とも子供に対して思うことがある背景が見えてくる。

特に友をボコボコにした後にラーマの背景を知ったビームが助け出して肩車するところは言葉はなくとも仲直りと友情の高まりの最高潮のシーンで涙すら出てきたぜ。

馬に乗る時もナポレオンみたいに馬を立たせるし、獣も四方八方に飛び出すし、敵のイギリス人爺も空中で銃をキャッチして射撃をするしとにかくかっこいいんだよ!

あと、ナートゥダンスや最後のダンスも良くて、インドは他言語国家なのでダンスという誰もがわかりやすい表現を取り入れているのだが、今回はイギリス人という他国の人間でもダンスの上では平等という意味合いもあったと思う。

インドの伝統文化にも触れており、食事に左手を使うことや祈りを込めてティーカを額につけるところなども印象深く世界にインドの文化に興味を持ってもらえるきっかけになったと思う。

正直なところもう1時間あっても長く感じなかっただろう。

臨場感を味わってもらうため一部を除いてスタントを使わずに実際に俳優がやったらしい。
参考:https://youtu.be/J6crh3XW-7I
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