ぷくたん

RRRのぷくたんのレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
4.0
『RRR』を見てきた。2回目だ。楽しかった。


人間は加齢とともに足腰が弱くなるものだ。歩くことさえままならず、階段を登ると息切れをして、よれよれとしてばたんと倒れてしまう。1週間ほど前の出来事であるが、僕は出勤しようと家を出て歩き始めたところ、何もない平坦な道で足がもつれてよれよれとしてばたんと倒れて車のバンパーに頭をぶつけてしまったのだ。こうしたことがなるたけ起こらないように、人間は常日頃から足腰を鍛えておいたほうが良いのだろう。足腰を鍛えておいたほうが、いざという時に倒れずに済むのだろう。車のバンパーに頭をぶつけずに生活ができるのだろう。


この映画の主役であるラーマとビームは、おそらく常日頃から足腰を鍛えているのではないだろうか。彼らの私生活を覗いたことがないので詳しくはわからないが、少なくともラーマのほうは気が狂ったように身体を鍛えている描写があった。ビームだって、森の中で生活をしているからには何らかのかたちで足腰を鍛えることができているのだろう。ラーマとビームは足腰が強いので、叩かれても蹴られても動き続けることができるのだ。ラーマのほうは足をやられてしまう場面もあるのだけれど、ビームに肩車をしてもらって動き続けることはできるのだから、彼らは足腰が強いのだ。中年のおじさんなのに。


きっとラーマとビームは、出勤しようと家を出て歩き始めたときに、何もない平坦な道で足がもつれてよれよれとしてばたんと倒れて車のバンパーに頭をぶつけるなんてことはないのだろうな。


僕も足腰を鍛えよう。そして、いざという時は草を身体に擦り込もう。草は意外と身体に良いみたいだ。毒にやられたとしても、足をやられたとしても、草を身体に刷り込むと早く治るみたいだ。だから、いつでも草を手に入れることができる環境に身を置き、また、どの草が身体に良いのか見極める知識を身に付けることにしよう。


また、ラーマとビームには弾がなかなか当たらない。ちょこまかと弾を避けているわけではない。彼らは威風堂々と振る舞っているにも関わらず、なかなか弾が当たらない。これはきっと“心持ち”なのだろうな。彼ら二人の、“私は主役である”という心持ちが、威風堂々とした振る舞いと、弾がなかなか当たらないという現象につながっているのだ。なぜならば主役というものはちょこまかとした動きで弾を避けたりはなかなかしないものだからだ。“私は主役である”という心持ちになることで、脳髄が心理的なトリックに引っかかり、威風堂々とした振る舞いにつながり、結果としてなかなか弾に当たらなくなるのだ。


“足腰”、“草”、“心持ち”。

これらが、この映画のテーマなのだろうな。