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RRRのdendohのレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
3.6
ガンジー不在の暴力的独立運動が遂行される歴史修正主義的エンターテイメント。

面白いけど、自分はバーフバリの方が好き。インド本国の興行収入もバーフバリの方が上らしく、本作がバーフバリ以上に日本で観られたのは個人的には謎(因みに監督も驚いたというニュース記事をみた)
歴史上の人物を扱っているが、内容は完全にフィクション(ゴールデンカムイで土方歳三/永倉新八の晩年を勝手に創造して描いたあの感じ)なので『イギリス植民地時代のインドが舞台』という点だけ認識しておけば十分。
なお脚本は叙事詩『ラーマーヤナ』『マハーバーラタ』がベースなので、インドの神話や宗教事情を知っとくのも良い。

映画は脚本の区切りとなる約1時間半で区切られ、前半と後半に分かれる。
YouTube等で開示されている、川での少年救出シーンやナートゥのシーンは全て前半。それ以外にも兎に角前半は見入るアクションシーン/ダンスシーンが連続するので、延々と見入ってしまった。
一方、ストーリー展開上仕方ないのだが、後半パートはカタルシスを感じるシーンまでがかなり長く、その長い上映時間も相まって、あくびが止まらなかった(ただし、半分はレイトショーで観たせいではある)。まあ最後のアクションシーンは良かったけど。

なお一部を除き、イギリス人が徹底的に悪役として描かれている(でも英国でもヒットしてるらしい)。あの総督なんかも架空の人物でしょうけど、実際にイギリスはインドに酷い事を沢山しているので、イギリス人を悪役にすると、インド国内のウケは良いんだろうな(笑)
しかしアジアの大作映画で日本をこの扱いにしたら、日本の保守層は滅茶苦茶反発するだろうな。でも偶にはそういう作品も観たいなぁ。
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