評判通り、とても面白い映画を見たなと満足する3時間。全編目まぐるしくて、長尺でも長いと感じることはないんだけど、妹救出作戦のあたりで、あれ、これもうクライマックスの盛り上がりだよね？まだダブル主人公の片方の背景説明全然してなくない？と思って時間を見たらまだ半分くらいで笑っちゃった。その後トイレ休憩用のカットも入ってとても親切笑。山場がいくつも波状攻撃で襲ってくる贅沢な作り。
あまり事前情報を調べずに見たので、はちゃめちゃな勧善懲悪系かと思い込んでいたが、イギリス統治時代の自由への戦いという思ったより王道の硬派な題材だった。この時代になってもまだステレオタイプの残虐非道な支配者像を描くのか、というのはちょっと気になったけど、植民地支配を受けたことのないお気楽日本人だからこそそう思うのはかもしれない。仮に現代に「イギリス人許すまじ」と思っているインド人がそれほどいなくても、歴史の積み重ねを経て、こういう題材が好まれる土壌があるのは当然かもしれない。
「自由を求める全ての人に銃を」というテーマも、平和のために武器や戦争をなくそうという反戦ムード一辺倒の現代では一見時代遅れのようにも感じてしまうのだが、これも自由を謳歌している国だからこその贅沢な感想なのだな。虐げられる人たちを政治や言論の力だけでは救えないことはこの一年くらいの間に世界中の人が嫌というほど思い知らされている。
「そうはならんやろ」と突っ込みたくなる場面の連続も狙ってやれば楽しい。もう一回見るかと言われたらいやーもうお腹いっぱいかなーという感じだが、なんか楽しい映画ない？と人に聞かれたら勧めたいな。
