ポテロウ

RRRのポテロウのレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
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遅ればせながら吹替公開のタイミングで!いやーーこれほどの作品を去年スルーしてたのは痛恨のやつ、今回観れて本当によかった、すごい映画だ…
何をやるにも筆圧が強いというか、有無を言わさぬ煮えたぎる迫力と情熱、なるほどハリウッドの映画ではまず出会えないパワフルでキュートなゴツさだった!かなり好き、かなり

ストーリーは驚くほどシンプルな潜入捜査もの+革命もの、ただこれ1920年のインドはちょうどガンディーの時代だということくらいは把握しておくべきだったな〜後で調べて納得、まぁイギリスの支配についてよく知らなくても余裕で楽しめたけど!非暴力・非協力・不服従の運動をストーリーにこう落とし込んでるというのは気づきたかった

全体的に筆圧強めなポイントとして、ストーリーで何か動きがあるたびに過剰な盛り上げをぶち込んでくれるというのは確実にあるなと感じた
基本的に引き算の発想が一切なくてとにかく足し算、音楽とスローモーションと回想、炎と水と土埃、、、そもそも起伏があって見ごたえばっちりのストーリーなのをそういった特濃の味付けでぶん回してくるので、ベタな話なのに通常の何十倍も感情を揺さぶられる、これがいわゆるインド映画の味というやつなんだろうな〜と楽しく胃もたれすることができた

で、味が濃いからバカ映画かというと全然そんなことはなくて、とにかく人命救助であったり他人のために力を尽くすことの尊さが一貫して描かれてたのでとてもスッキリした気持ちで観れた
知らない人どうしのとっさの連携も、強い絆で繋がる者どうしの連帯も、同じ方向へ全力で進む爽快感が常にあるというか…王道のストーリーを描くことに一切の迷いがない感じ、とても好きでした
それでいて例えば「お前を逮捕する!」の時に目を合わせられないラーマとかの、意外にも繊細な描写がちらほら見受けられたのも好きだったな〜、勢いだけの作品じゃないというのがこういう部分でも光る

そしてナートゥね!!!あえてこれまで聴かずに臨んだのでまずビートのタフさに驚嘆した、とんでもないグルーヴだったな〜大満足
ストーリーの流れとしてもすごくアガる展開になってるし、主演二人の尋常ならざる体幹と動きのキレはちょっと目が離せなかった

いやーしかしビームとラーマ、ふたりの場面は見応えあるとこばっかりだったな…全部を思い出せる自信がないけど、やっぱり終盤の肩車あるいは縦二人三脚とでも呼びたいような連携というかもはや一心同体の完成形、それを縦でやるのがフレッシュすぎた
全体としては髭面のおっさん率が非常に高いので、区別つかない登場人物は正直ちょっといた、名前の覚えづらさはインド映画に触れてこなかったこちら側の問題でもあるだろうけど

やり過ぎなレベルで味の濃い展開の連続、そして終盤エンドロール始まるまでのやり取りなんてもう、セリフもほとんど無くてもはや概念しかない状態…キャラクターの意図とか立場だったりの整合性を軽々と超えて、正義とか悪とか信念といった概念どうしがぶつかり合う・抱き合う・確かめ合うみたいな感じでネクストレベルにも程があるクライマックスだった、こういう感じの熱を味わったのは初めてだったな…

あとは作中でも少し出てきてたラーマーヤナ、これ調べたら登場人物にシータとかまでいて!!いよいよ神話そのまま引用してる話だったんだなと驚いた、ここら辺もっと詳しくなりたいな

途中でインターバルの映像が挟まれたけど休憩にはならなかったり、言語の違いを巡るユーモアの吹き替えが今ひとつだったりでベストな状態での鑑賞ではなかったけれども、いや〜劇場で観れたというだけでかなりデカいな、色物インド映画として半笑いで観るとかじゃなくて本当まっすぐ最高
ふざけてない杉田智和のかっこよさも味わえてよかった!すごいものを観た、楽しかった
ポテロウ

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