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名探偵コナン ハロウィンの花嫁のpenのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

警察学校編は名探偵コナンのスピンオフとして始まったシリーズだが、連載初期から想定されていたキャラクター達ではない。ぼんやりとしたアイディアは原作者の中であったのかもしれないが、具体的な登場の兆しは近年のこと。松田と萩原は警視庁をメインとしたエピソードで佐藤と高木の関係性にまつわる事件で過去の傷に関係したキャラクターとして出てくるが、まさかこんなにフューチャーされるとは思わなかった。

このスピンオフは後付けと明確に定義して良いと思う。そのシリーズがこんなにも絡んだ内容で劇場用新作として公開されたことに驚いた。
予告の時点で抱いていたおまけ+α程度の出番といった予想は覆され、過去編の加筆修正といってもいい。

本作はそのスピンオフを履修済みであるのを前提に話は進んでいくが、実際多くの観客は漫画やアニメで触れている訳だ。もちろん見ていない人もいるだろうけども、この作品を機に触れられるように見せ場がしっかり盛り込まれている。いま国内でキャラクターを掘り下げるスピンオフと本編をちょうど良く組み合わせ新作映画に繋げていく、ユニバース方式に似たメディア展開が上手くいっているのが名探偵コナンシリーズなのではないかと思う(その萌芽は怪盗キッドというキャラクター、作者の執念たる「まじっく快斗」との合体、更には「4番サード」他とのコラボにもあった)。

肝心の本編は最近の作品同様、大見得を切る荒唐無稽の連続。そしてそれを楽しませる工夫に溢れている。現在で起きた衝撃的な焼死事件が警察学校編の面々が関わったある事件と関係し、渋谷を舞台に大事件が勃発。謎をさり気なく散りばめてド派手に明らかにする手腕が光る大倉崇裕氏の脚本。「からくれないのラブレター」以来に気に入った。
渋谷の街をもうちょっと描いて欲しかった気もするが。

警察学校編の面々が絡むと警察官達が主役の香港映画を思い出すのだが、彼らのモチーフというかモデルは何なんだろうなと思いながら観ていました。
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