Ma

百花のMaのレビュー・感想・評価

百花(2022年製作の映画)
4.3
2022年劇場鑑賞:34本目
2022年:105本目
202208:2本目
・シナリオ:☆☆☆☆★
・演出: :☆☆☆☆☆
・雰囲気: :☆☆☆☆★
・個人的好み: :☆☆☆☆★

試写会で一足早く鑑賞。
認知症の見る世界を描いた作品としてはアンソニー・ホプキンスが主演を務めた「ファーザー」が記憶に新しいが、こちらはまた違ったアプローチ。

ワンシーン・ワンカットという奇抜な手法で撮影を行なっており、それにより臨場感が増している。監督によると、昨今コロナの影響により映画の観られ方が変化、映画館という場で観客を飽きさせないためのものなのだとか。

劇中内で流れる音楽はほとんどがピアノでストーリーに同化しており、作中で描かれる空の色も鉛色が多い。青空が除く場合も雲が多く、それらの演出が作品に美しさを持たせている。作中の登場人物達の服装の色もキャラクターの印象付けのために統一感を持たせ、記憶の濃淡に服の色も対応しているのだとか…。素晴らしいです。

記憶というものは個人の感情に結びついた酷く主観的なもので、曖昧さを持った不確実なものですが、人が他者と供に生きていく上では必要不可欠なものだということが伝わってきました。
良い映画です。

本当につい最近観た「エレファント」を監督が取り上げてくださり、嬉しかったです。
Ma

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