棟梁

ザ・ランドの棟梁のレビュー・感想・評価

ザ・ランド(2021年製作の映画)
3.8
 原題のKrajは、「国」という意味のポーランド語だが、本作では「野の国」ポーランドを舞台にした小話が次々と切り出されている。
Netflixではコメディに分類されているものの、あまりにもブラックすぎる展開の連続で、コメディであるとは言いにくいかもしれない。ただ、ふとした時に道を踏み誤ってしまう「ふつうのひとびと」の姿、そののちの狂気じみた挙動と顛末は、スペイン=アルゼンチン合作『人生スイッチ』(スペイン語: Relatos salvajes、英語: Wild Tales、2014)にとてもよく似ている。個人的には、狂気と後味の悪さでは本作の方が上である気がする。
 同じ日にポーランド映画『ダヴィドとクリスマスエルフ』(Dawid i Elfy/David and the Elves、2021)を観ていたぶんになおさら、本作のポーランドが恐ろしい国に思えるほど、本作の「普通のひとびと」の狂気はすさまじかった。
棟梁

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