このレビューはネタバレを含みます
老いとか死に恐怖してる人間にとっては並のホラー映画よりホラーかも。
表現も挑戦的でいい！あの心理的分断を示す感じのスプリットスクリーン、登場人物たちが互いを理解しようとしたシーンでは二つのカメラの画角が殆ど揃ってたりして、おっっもはやスプリットである事も解消されるかな！？と前のめりになって見てた。
登場人物の感じもみんな嫌にリアルで、似た性質の人が知り合いにいたりする人にとってはかなり最悪度高く見られる気がする。
旦那だけは幸せだったろうな…というのは皮肉ですが。
現実をどうしても受け入れたく無い感じが本当にリアルですごかった。けど要望だけを見れば旦那のが全部通ってたしねー。
息子にも過去に色々したっぽかったが、それなのに両親を大事にしてくれる立派な子供に育ったじゃん！！
息子は年齢的にも一番共感できるポジションだったし、親の前で常に冷静でいられる感じはすごいなぁと思っていた。だからこそ、最後の母とのシーンも映えてたし。
妻は何というか、旦那のエゴで生かされてた感じがして本当にかわいそう。
私が死ねば良いのと言うシーンがあったが、常にそう思ってたんだろうなー。作中で一度も笑ってなくなかったか？
旦那と二人で老人ホームに入ろうという要望は叶わず、家にいても会話してくれるわけでもない上に旦那は浮気相手に熱心で…。
妻による、状況を終わらせる為の動きが全て故意だったのか、そうじゃなかったのかわからないバランス感がすきすぎる。
ラスト、いなくなった旦那を探すシーンの後、あれは枷がなくなってやっと生きるのを止められた、という気持ちも…あっただろうなぁ…
