ダリオアルジェントが主演ということで。
この監督の映画はアレックスしか観たことなかったけど（しかも内容ほぼ記憶から落ちてる）気分悪いですね。凄く嫌な不快感。
2画面構成がもらたす効果は、同じ空間にいる夫婦同士がすれ違っていく様をまざまざと見せつけられ心が摩耗されていった。
どうやら脚本はわずか5ページ程度しかなく、ダリオの大型のセリフのはアドリブだったらしい。
監督がコロナ禍で身近な人物を亡くしたり、アルツハイマーを患っていた母を看取ったことから着想を得て本作の作成に取り掛かったそう。全編的にどんよりした作風だったのは、撮影当時のコロナ禍の影響や老いや死を扱ったテーマだったからだろう。
「人生は、夢の中の夢。」
家の中でうろうろと落ち着きのない母親と、不倫相手からの連絡と慣わしを気にする父と、元ドラッグ中毒の息子と。
各々が各々を落ち着かせる為ドラッグを服用し、また与えたり。この家族が繋がっていたのは昔は愛だったが今となっては薬だけとなってしまった。目を瞑らなければ夢は見れない。眠らなければ夢は見れない。
父は作中、映画を人生のようだと語る。
常にリラックス状態だと。そんな人生を過ごしてきた家の中や家族がめちゃくちゃになり、家の中で見ようとする夢は如何なものか。薬の繋がりがとぐろを巻き、やがて渦となる。渦中に手を伸ばせど終わらない幻想のよう。
