カプカ

屋根裏のラジャーのカプカのレビュー・感想・評価

屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)
-
2Dアニメながら立体的な独特の映像と想像で描かれるアニメがすごい。
少女とイマジナリーの話ながらイマジナリーフレンド側の視点で話が作られていく面白さ。
子供の頃の辛い時期を乗り越えてるための想像力とそれが大人にとっても大事な物であることを見せてくれるアニメでした。

『屋根裏のラジャー』の原作小説の『ぼくが消えないうちに』を読んだ。
小雪がカバじゃなく恐竜だったり同級生のジュリアが嫌な子でイマジナリーが見えるということで精神病扱いされて治療させられる所とか細かい所は違うが
イマジナリーを食べるミスター・バンティングに付け回されて、アマンダが事故にあい、ラジャーが消えそうになって他のイマジナリーと出会いという展開と大筋は原作通りなのだがかなり原作から足されている。

原作だとほぼラジャー視点の話なので母の描写は少なくお父さんとやっていた本屋をやっているというのもオリジナル。父が亡くなったという言話も無いのでラジャーが産まれた理由が全然違く、最後の3つの誓いのシーンも無かったり大事な所が全然違う。

ラストもお母さんのイマジナリーの冷蔵庫が助けてくれるところは同じだがその後冷蔵庫は消えてしまいイマジナリーとは大人になるとやっぱり別れるものという展開に原作はなっていた。

2Dアニメなのに不思議な立体感のある絵だったけど、それは『クロース』なども制作したフランスのスタジオLes Films Du Poisson Rougeに協力してもらって影の付け方などのライティングをしたからなんだよね。

『屋根裏のラジャー』アニメ作りと重なる所ある感じだなと思った。
ラジャーは自分で何かを生み出すことはしないから創造主の考えた絵に沿って世界を一緒に作るという設定で、途中色んな創造主の中から世界を作る仕事を請け負って、みんなで創作をし気に入られたら専属になるとかアニメ作りっぽいよな。
カプカ

カプカ