2020年、アメリカ合衆国のTV映画。トリ・ギャレット監督によるスリラー・ドラマ。実話に基づく物語。
ロースクールで法律を学んだ優秀な女子学生エイミーさんは、ある夜、初めて出会った男性ディミトリから暴行され、後日、妊娠発覚、しかし堕胎することなく新しい命を産むことを決意したエイミーさん、しかししかし、男性は度々姿を現しては威嚇、挙句の果てはその子の親権を求めて裁判を起こすという実に深刻な物語。
男性の身勝手な暴力により望まない妊娠をした女性が出産を決意するというのは想像を絶する覚悟が必要でしょう。本作では決断に至る過程がそれなりに描かれておりますが、相当な苦悩と逡巡をくぐり抜けての決意であったと思われます。ないものねだりは百も承知ですが、その間の経緯をもう少し詳しく表現してほしかったかなと。
裁判そのものはスリリングで興味深く鑑賞いたしました。
アメリカ合衆国の法体系、性犯罪の有罪確定率、「無法者」の明らかに不当な権利を弁護する法律家、さらに、生命はいつ始まるのかといった哲学的宗教的議論。
TV映画と侮ることなかれ、広く深く考えさせられる貴重な作品でございます。