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映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝のEFのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

受け入れられなくても対峙しなければいけない、否応なしに突き付けられる現実を、独特の恐怖かつコミカルで描いた本作からは、過去作にも通ずるクレヨンしんちゃんシリーズの基本理念を感じ取ることができた。そして、それを乗り越える家族愛。何度も描かれてきた人類普遍のテーマではあるが、いつ見ても心動かされるのはクレヨンしんちゃんくらいだろう。しんのすけが家族の夢を見て泣く場面は、本当に胸が締め付けられた。。。
より時代性を反映させた描写も多く、前述のスタンスを取りつつも、これまでに無い新鮮さを含んだ内容となっていた。特に、風子がしんのすけに夢を打ち明ける場面、なぜくノ一は長老になれないのか、という疑問は本作の枠を超え、凝り固まった社会通念に一石を投じる重要なシークエンスだったと思う。また、珍蔵は、妙に大人びた現代の子どもを象徴しているのか。そうさせてしまっているのは、間違いなく周囲の大人である、という皮肉的かつ強烈なメッセージを受け取ることができた。
毎年素敵な作品をありがとうございます。
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